予想外
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ウェンディside
「いいのか?俺たちはこんなところにいて」
上階から響き渡る戦闘の音。それを聞きながらユウキさんがそんなことを言います。
「大丈夫だよ!!うちのレオンもシリルも強いんだから!!」
その問いに対して得意気な表情で答えるシェリア。彼女の言う通りシリルとレオンは確かに強い。でも、私の中でやっぱり違和感が拭えない。
(いつものシェリアならすぐに手助けにいくはずなのに・・・)
身体が大きく成長したことによりレオンの力が相当増しているのか、それともシリルがいるから足手まといにならないようになのか、とにかくいつものシェリアらしくない。
「でもここでただ待ってるだけなんて・・・」
「なんか納得できねぇ・・・」
ジェリーさんとユウキさんは上からの戦闘の音を聞きながらそんなことを言う。私もそれに同意しようとした時、シェリアが冷たい目で彼女たちの方を見る。
「じゃあ聞くけど、あなたたちで王様に対抗できるの?」
「「「!!」」」
シェリアの言いたいことはわかる。魔法も持っていない彼らでは未知数の力を持っているバリーザウィッチさんに対抗する術がない。だからこそ私たちが呼ばれたわけだし・・・でも・・・
「シェリア、私はいくよ」
「え?」
私から突然そんなことを言われたからか彼女は驚いたような顔を浮かべていた。
「私はシリルたちと一緒に戦いにいく」
「待ってよ。レオンがいるんだから負けるわけない。あたしたちは待ってるだけで・・・」
「そうかもしれない。でも私は一緒に戦うって決めたの。シャルル!!」
「わかったわ!!」
シャルルの翼で一気に王様の部屋へと向かう私たち。セシリーもそれに反応して慌てて付いてきた。
「ウェンディ!!もう!!」
それを見たシェリアもラウルに持ってもらい追いかけるようにこちらへと来ます。私はそれを待つことなく飛んでいくと、ようやく二人が戦っている階まできました。
「・・・え?」
そこで繰り広げられている戦いを見た瞬間、私は目を大きく見開きました。なぜなら仲間であるはずのシリルとレオンがそれぞれの拳を受けており、三人とも同様にボロボロになっていたんですから。
シリルside
振り抜いた拳がレオンの頬を捉える。それと同時に彼の拳も俺に突き刺さったため、俺たちは弾き飛ばされたように後方に押し出された。
「全く・・・聞いていた通り無茶苦茶な住民たちだ」
そんな俺たちを見て口元から流れる血を拭いながらバリーザウィッチは呆れたように口を開いた。それを聞いて俺とレオンの意識がそっちに向かう。
「誰のせいで・・・」
「こうなってると思ってるんだ
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