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Fate/WizarDragonknight
風船
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「……もう……」

 清香は大きくため息をついた。
 美炎から『迷子になった』という連絡を受け、清香は憤慨の表情を見せる。

「ほのちゃん、どこまで行ったの……?」

 清香は口を尖らせながら、仮住まいへの道を歩く。
 見滝原に来てから早半月。町で過ごすことにも慣れてきた清香は、コヒメと手を繋ぎ、仮住まいへの道を歩いていた。

「きよか。手、すごい痛い」

 コヒメのその言葉に、清香ははっとした。思わず、コヒメを握る手に力が入っていたようだった。

「ああ、ごめんねコヒメちゃん」
「うー……」

 コヒメは手を振る。
 やがて彼女は、清香より前を歩きだした。

「ねえ、ちょっとラビットハウスに行こうよ!」
「ラビットハウス? そうだね、煉獄さんの様子も見に行った方がいいかもしれないね」

 清香はそう言いながら、天を仰いでだ。

「……」
「きよか?」

 いつの間にか足を止めていた清香を、コヒメが呼びかける。

「どうしたの?」
「あ、ううん。煉獄さんといえば、全然戦わなくて済んで良かったなあって」

 煉獄の存在は、すぐに聖杯戦争に結び付いた。
 煉獄、そして美炎の手に刻まれた令呪。
 だが、その結果清香が知り得ている現状は、ただラビットハウスの店員が増えたことと、美炎が見滝原から出られなくなったということだけ。

「結局、何の戦いもないままだけど……いいのかな……?」
「きよか?」

 結局美炎が聖杯戦争の参加者になってから、清香が知る範囲で戦いという戦いは起こっていない。

「もしかして、全部悪い夢だったりしないかな……? 戦いは怖いし、ない方がいいんだけど……あれ?」

 ふとその時、清香は周囲を見渡した。

「コヒメちゃん!?」

 コヒメがいなくなっていることに気付き顔が真っ青になる。

「コヒメちゃん!? どこに行ったの!?」

 比較的人がいない道ではあるものの、あの白い人影はどこにも見えない。
 誘拐でもされたのか、と考えていると。

「きよか! きよか!」

 コヒメの声に、清香は跳び上がった。

「コヒメちゃん! よかった……どこに行ったのかと思ったよ……」

 清香は胸を大きく撫で下ろした。
 コヒメは清香の不安など知る由もなく、その手を握ってピョンピョンとはねた。

「きよか! こっち! すごいよ!」
「え? ちょっと、コヒメちゃん!」
「こっちこっち!」

 コヒメが清香を引っ張るのは、路地側。
 比較的人通りが少ないその場で、コヒメが目を輝かせた理由。
 それは。

「大道芸? 今時珍しいね」

 清香がそう、注目する相手。
 白と黒に分かれた服が特徴的なピエロ。後ろ髪に青いメッ
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