火は波に呑まれ、鎮まる話。
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これ。あいつ強いんじゃなかったのかよ!!なぁ!!」
人影は二つ。
1人は背が低く、清潔感の無いでっぷりと太ったその身体を揺らし、隣にいる男に怒鳴り唾をはきかける男。
「ははは…見事にやられちゃったみたいだねぇ。どうやらセンセイのより弟くんの北斎がずっと強かったみたいだ。」
「なんでだよ!!誰にも負けねぇ最強の…最強の…おい、アレなんて言うんだ?」
「サーヴァントね。」
「そう!サーバントだよサーバント!!誰にも負けねぇ最強のサーバントなんじゃなかったのかよ!!」
もう1人は怒鳴られようが顔に唾がかかろうが、ずっとニコニコと笑顔のままの浅黒い肌の男。
「おいてめぇ、もっと強いの寄越せよ。」
「うん。お安い御用だよ。きっとあのサーヴァントはセンセイには相応しくなかったんだろう。うん。次はもっといいものを用意してあげよう。」
話している内容からして、ただものでは無い。
そう、この二人こそクー・フーリンもといウィッカーマンを差し向けた張本人。
葛城舞の兄、葛城恋。
そして舞が以前であった神父、ナイ神父だ。
「今に見てろよアイツ…兄に恥かかせたこと、死ぬほど後悔させてやる。お前よりも俺様の方が優れてるってとこ、嫌という程思い知らせてそれからあの女を俺様のモノにしてやるよ…!」
弟への恨み、執念を燃やしながら彼は復讐の炎を心に宿す。
とはいっても、ほぼほぼ逆恨みに近いものであることに間違いは無いのだが。しかし神父はただ笑顔で応援する。
それは間違ってると指摘することも、こうした方がいいとアドバイスもせず、
「ああ、その意気だよセンセイ。あんな猿にも劣る奴に、センセイが負けるはずないさ!」
ただ"センセイ"と呼び慕い、持ち上げるのみだった。
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