”radiant force”
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いさっき、コヒメが見ていた本の蛇。
絵本に描かれていたイラスト。子供向けにデフォルトされていながらも、不気味さを感じさせたものが、脳裏に蘇る。
ソロは続けた。
「かつて、ムーの敵としてこの世界を破壊した大荒魂。奴が、この見滝原で蘇ろうとしている」
「え?」
ソロの言葉に、美炎は耳を疑った。
「この世界を破壊した大荒魂? でも、荒魂が現れたのって、そんなに昔だったっけ?」
美炎も、荒魂について、それほど詳しく知っているわけではない。
だが、荒魂と、それが生まれた原因である御刀の歴史は、五百年も経っていないというのは間違いないはずであった。
ソロは鼻を鳴らす。
「御刀……キサマたちが使う、その剣を生み出すためには、同時に荒魂も生み出すらしいな」
「うん……」
美炎は、加州清光を掲げる。
「珠鋼って金属から御刀を精製すると、どうしても荒魂が生まれてしまうってのは、わたしでも分かるけど……」
「原初の荒魂……御刀が作られるよりもはるか前の荒魂だ。この見滝原は、元々封印の地脈が強い土地だ。あの怪物は、出雲で退治された後、ムー信仰が深い民族がここに封印した。見滝原の八か所で、奴の封印を司る要石が設置されていた。だが、キサマと戦ったあの場所を含め、すでに六ケ所の封印が剥がされている」
「封印?」
「セイバーのマスター。キサマと最初に戦った、あの隠世だ」
その時、美炎は思い出した。
セイバーのサーヴァント、煉獄杏寿郎。彼と出会った、神社の形をした場所を。
「あの場所にあった、要石。そして、地下深くにある要石もまた、フェイカーに壊されたらしい。これで、残る封印は六つだ」
「フェイカー?」
その一単語に、響が強く反応した。
「フェイカーってまさか……あの、蒼い仮面を付けた人?」
「キサマも知っていたか、ランサー」
ソロは、口を歪めさせながら、
「奴は、ヤマタノオロチの復活を企んでいる。ムーの敵を手招くなら、奴はオレの敵だ!」
「フェイカーのサーヴァントってことは、トレギアだよね?」
響が身を乗り出す。
ソロは頷いた。
「だが、長い年月の経過で、ただ封印を破っただけでは、おそらく奴は、少なくとも完全体としては復活しないだろう。だが、大荒魂である以上、大量のノロがあれば動く」
いくら頭がいい方ではない美炎でも、そこまで言われれば合点がいく。
「もしかして、その、フェイカーって人……それに、あなたがコヒメを狙う理由って……」
「オレは、あの荒魂の排除および、討伐。そして、フェイカーの目的は……」
「コヒメのノロを使って……大荒魂、ヤマタノオロチの復活……!」
美炎の顔が、自然とコヒメを残してきた方向へ向く。
一方
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