”radiant force”
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うなことはしない」
ブライはそう言って、右手を見せつける。
紫の炎が溢れる手の甲。そのなかに、薄っすらとムーの紋章が見えた。
「あれって……令呪? でも……」
「オレは一人だ。誰も助けないし、誰も信じない。だからこそ、オレは強い」
「……うん。確かに、あなたは強いよ。……でも」
それに対し、響は立ちあがりながら、胸の赤いパーツを取り外す。
赤い結晶のような部品。それを掲げると同時に、響はもう一度スイッチを押す。
すると。
『ダインスレイフ』
電子音が、そのパーツより流れた。
「でも……わたしだって、負けない! 負けられない! 未来が言ってくれた、もっと多くの人と手を繋ぐために! わたしはッ! まだッ! 倒れるわけには、いかないんだッ!」
そして響は、それを上空へ放る。
上空で変形していくそれ。刺々しさが増していくそれは、やがて迷いなく、響の心臓部へ突き刺さる。
「うおおおおおおおおおッ!」
白と黄のガングニールが、漆黒に染まっていく。
白と黄色の、明るいコントラストが印象的だった武装は、黒一色に、さらにその体には、淡く黄色の光が包んでいく。形を作っていくのは、赤黒い物質。
それは、強大な攻撃、瞬発能力を持つシンフォギア。イグナイトモジュールの黒い装備が、ブライの頭上へ躍りかかった。
そして響の歌が、始まった。
___始まる歌 始まる鼓動___
静かに目を開けた響。
それに対し、ブライもまたラプラスソードを構える。
「え? 何? 何でいきなり歌ってるの?」
___響き鳴り渡れ 希望の音___
「来い……ランサー!」
「この状況、ついていけないのわたしだけ!?」
より速度を上げた響の動き。
だが、それでもまだブライの方が速い。
___生きる事を諦めないと___
響の拳と、ブライの拳が激突する。
空気を震わす振動に、高架が揺れた。
___示せ___
響は拳を振り抜き、
___熱き夢の 幕開けを___
解き放つ。
___爆せよ___
そのまま伸ばした腕で、
___この 奇跡に___
ハッケイ。
___嘘はない___
そのまま放たれた勢いに、ブライは大きく突き飛ばされる。
足で踏ん張ったブライ。
美炎は、そんな響に並んだ。
「響ちゃん! わたしも!」
美炎もまた、加州清光を携えて攻め入る。
一つだけではなく、様々な剣術を織り交ぜた独自の剣。
ブライもまた、ラプラスソードで美炎へ応戦した。
幾度となく鳴り渡る刃の音。
その音もまた音楽として、響は唄い続けた。
____その手は何を掴むためにある?_
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