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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
襲撃-さいかい-
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なに、1週間歩き詰めなんてことはなくなるからそれでいいだろう。」
「私は全っ然良くないんだけども!!」

そうして馬の上で終わらない押し問答を続けながら、俺達は京都をあとにする。
次はどこへ行くか、それはまだ決めていない。
でも、訪れた場所でも必ず、困っている人はいるだろう。

それにだ。
俺たちの仕事は荷物を届けるだけじゃなく、財団の活動を全力で邪魔することも含まれる。

頼もしい移動手段を貰い、ともかく俺と武蔵は風の向くままにどこへと決めず走っていった。



?


「竜胆だ!!あの竜胆が来たぞー!!!」

数日後。
馬を手に入れたことによって活動範囲も大幅に広がり、かつ一日の移動距離もずっと長くなった俺達だが、
前にも言ったように葛城財団の邪魔、もとい支部を潰してまわっていた。

「赤い刀を携えた白髪の男…サーヴァントは宮本武蔵…!間違いない!!危険人物の竜胆大和だ!!」

見張りをなぎ倒し、中に入って暴れ回る。
資料やら機材やら、貴重そうなものは片っ端から叩き潰したり斬ったり撃ったりして台無しにしていく。

「随分有名人じゃない。大和くん。」
「ああ。」

やってくる財団職員を斬り伏せながら、背中を合わせて武蔵はそう言った。
まぁ、俺はこうしてる間に財団からはかなり名の知れた男になってしまったらしい。

「そろそろいいだろう。」

ひとしきり暴れ回り、とりあえず退散する。
設備や兵器、データの入ったパソコンや通信機器は全て破壊していくが職員達は全滅させない。
見せしめ、もといこの惨状を本部にいるだろうお偉いさんに伝えてもらう為だ。
ということで俺は指笛を吹き、やつの名前を呼ぶ。

「オロバス!!」

武蔵と共に3階の窓から飛び降りると、下には既に愛馬のオロバスが駆けつけていた。
ちなみにオロバスとはあの時伊吹童子からもらった馬の名前だ。
名前が無いと可哀想なので、思いつきでつけたものだ。

そうして俺はオロバスに跨り、廃墟1歩手前となった財団支部から風のように去っていく。
武蔵は…

「…乗らないのか?」
「いいの!!」

馬には乗らず、その隣を併走していた。
しかし、

「…!!」

武蔵が突然前に出て、オロバスを強引に止める。
俺も思わず手綱を引き、止まるように指示すると武蔵に何事か尋ねた。

「どうした武蔵?」
「この先、まだ"いる"…!」
「いる…?」

一体何がいるのか?
その疑問は、すぐに解消された。

「チッ…あと少し走ってくれりゃ、蜂の巣にしてやったのによぉ。」

茂みや木の影から、ぞろぞろと出てきたのは葛城財団の実働部隊。
まさか…今まで待ち伏せしていたのか?
近くにあった支部を犠牲にし
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