第六百四十二話 修羅道その三
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「各国同士と中央政府と各国でな」
「常に揉めているな」
「それぞれの国の中でもな」
「徳川幕府も中で衝突はあった」
人間の世でそれがないことはなく徳川幕府も然りであったのだ。
「しかし連合よりもだ」
「遥かにか」
「穏やかでな」
それでというのだ。
「治まっていた」
「そうだったのか」
「連合は神聖ローマ帝国の要素も入っている」
この国のというのだ。
「内乱のないな」
「内乱がないか」
「そうしたな」
「エウロパのドイツだな」
「ドイツとイタリアとベネルクス三国にオーストリアだ、あとチェコも入る」
「広いな」
「そうした広大な国だったが」
欧州の中でというのだ。
「しかもスペインも入ったな」
「それでもか」
「領主の権限が強く皇帝のそれは弱かった」
「だからか」
「内部対立が絶えず」
そしてというのだ。
「結果としてそこから戦争になった」
「それでなくなったか」
「国としてな」
三十年戦争である、その戦争の講和条約であるウェストファリア条約で有名無実化した国であるのだ。
「そして十九世紀のはじめにな」
「三十年戦争からか」
「一世紀半は存在していた」
国家としてというのだ。
「名前だけでもな」
「そうだったか」
「しかし十九世紀のはじめにな」
この時にというのだ。
「ナポレオンによって完全にだ」
「潰されたか」
「そうなった」
「そうした国だったか」
「お前は知らなかったか」
「授業で習ったか」
「習った」
タムタムは一言で答えた。
「そうだった」
「俺が忘れていただけか」
「そうなる」
フランツの成績の悪さは知っているのでこれで終わらせた、彼は相変わらず勉強は全く駄目である。
「それでだ」
「ああ、ナポレオンが潰してか」
「なくなったその国だとな」
「連合は言われているな」
「まとまりがなくな」
そうしてというのだ。
「内輪揉めばかりのな」
「そんな国だとか」
「徳川幕府と言われることもあれば」
それと共にというのだ。
「その様にもな」
「言われるか」
「そしてどちらかというとな」
タムタムは今度は豚の串カツを食べつつ話した。
「連合はその神聖ローマ帝国だとな」
「言われるか」
「徳川幕府はまとまりがあった」
「内輪揉めもなかったか」
「かなりの分権国家だった」
連合の様にというのだ。
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