第六百四十二話 修羅道その二
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「そうなっていた」
「それもあんまりだな」
「しかもこれで皇族が少なくなってだ」
「兄弟を全員殺しているとな」
「その分皇室の者がいなくなってな」
そうしてというのだ。
「結果としてだ」
「誰もいなくなったか」
「流石にそこまではいかなかったが」
源氏と違ってというのだ。
「後継者不足に悩まされる様になった」
「そうなるのも当たり前か」
「そして仕方なく皇帝に就いてもらった者がな」
彼しかいない形でだ。
「暗愚だったりしてな」
「よくなかったか」
「国が傾く一因にもなった」
オスマン朝は後半そうした皇帝が多くなった、専制国家であったのでそれが国家の衰退に直結したのだ。
「結果としてな」
「やはり殺し合いはよくないな」
「身内では特にな」
「嫌な話だしな」
「特にだ」
「源氏はそうだな」
「本当に誰もいなくなったからな」
直系の血が完全に絶えたからだというのだ。
「後の徳川幕府はそれがなかった」
「そうなのか」
「三代将軍は弟を切腹させたが」
徳川家光である、兄弟仲は決して悪くはなく家光もその弟駿河大納言忠長を憎いとは思っていなかったという。
「しかしな」
「それでもか」
「それだけでな」
「他はか」
「そうしたことはなかった、逆にだ」
徳川幕府はというのだ。
「直系がいなくなってもな」
「それでもか」
「別の徳川家から将軍が出る様にしていた」
「源氏と違ってか」
「身内同士で派手に殺し合わずな」
そうしてというのだ。
「分家を置いていてだ」
「いざという時に跡を継ぐ様にしていたか」
「だから続いたのだ」
「二百六十年以上もだな」
「優れた統治システムとな」
それと共にというのだ。
「跡を継ぐシステムもな」
「整えていてか」
「続いたのだ」
「そうなのか」
「財政システムは弱かったがな」
その為二百六十四年の政権のうち百五十年程財政赤字で悩んでいた。
「しかしだ」
「統治システムとか」
「そちらも整っていてだ」
「あれだけ続いたか」
「安定してな、よく連合は徳川幕府と言われるが」
これは実際にである。
「長く続いているしだ」
「平和だからだな」
「しかし徳川幕府には劣るだろう」
この政権にはというのだ。
「流石にな」
「そうか」
「何しろ内輪揉めもなかった」
国の中でというのだ。
「だからな」
「連合より上か」
「連合は揉めていないことがないな」
「その中でな」
フランツも知っていることだ。
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