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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第四十四話 理想と現実
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主任参謀、イエイツ中佐。宜しく」
「運用参謀、ウェッブ大尉です。宜しくお願いします」
「作戦参謀、フォーク中尉です。宜しくお願いします」
「司令部内務長、パオラ・カヴァッリ少佐です。宜しくお願いします」
「以上が司令部の主なスタッフだ。なおウィンチェスター中佐は慣熟訓練終了後、宇宙艦隊司令部に転出となる。ワイドボーン少佐は中佐転出後、作戦主任参謀となる。ウィンチェスター中佐、申し送り宜しく頼むぞ」
「了解致しました」
長身、美丈夫、優秀…俺なんかよりよっぽどアッシュビーしてるじゃねえか。おいフォーク、ガン飛ばすの止めろよ…。
「よし、解散。皆退室してよろしい」

 「ねえねえ、かなりのハンサムじゃない??一年生にあんな子居たっけなあ」
「ああ、カヴァッリ少佐の二年後輩になるんですね」
「そうね。あのミラクル・ヤンだって印象無かったし…あのね、何年の付き合いになるのよ?パオラでいいわよ」
「パオラなんて…俺オットーに叱られますよ」
「ふん、別れたわよ、とっくに」
「え!?最近ですか?」
「…聞いてないの?」
「ええ。フォーク、知ってたか?」
「いえ、小官も知りませんでした。この間集まった時も何も仰ってませんでしたし」
それでか…道理でキャゼさん家に連れて来ない訳だよ…別れちゃったのか…。
「小官も話に交ぜていただけませんか」
「…ええ、構いませんよ」
「改めて宜しくお願いします…ここ最近はEFSFが栄達への登竜門の様なのでね、念願かなってやっとここに来れましたよ」
「栄達への登竜門?ウチがですか?」
「ええ。ここ最近の帝国との戦争は必ずEFSFが絡んでいる、というか主役に近い。まあ、最前線ですからね、当たり前と言えば当たり前ですがね」
「…まあ、確かにそうですね」
「気になって調べたら、ちらほらと貴方の名前が出てくるのですよ、ウィンチェスター中佐」
「……」
「エルゴン星域の大会戦に先だってのダゴンでの前哨戦、カイザーリング艦隊との戦い…正規艦隊よりよほど活躍している。ヤン中佐と並ぶ同盟の若き英雄、五十年ぶりの将官推薦、ブルース・アッシュビーの再来…」
「英雄なんかじゃないですよ。将官推薦も私が望んでそうなった訳じゃない」
「しかし現実はそれを全て肯定している。統合作戦本部でも、貴方は有名人です。ハイネセンポリスには、蹴落とされるんじゃないかとビクビクしている人が沢山いますよ」
「私にそんな気は全くありませんけどね」
「まあ、いいです。一ヶ月と短い期間ではありますが、貴方には色々と学ばせて頂きますよ。では」
「……」
言われてみると確かにそうだ。最前線だから当たり前だと思っていたけど、そういう見方もあるって事か。
なんで、そんなひねくれた物の見方するかねぇ…。
「…あなた、人気者ねぇ」

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