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幻の月は空に輝く
課外授業に行こう・3
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「テン。もっと結界を強化したい」

《そのようだな……まったく。これ以上煩いようなら我が出ても良いが?》

「ナルトが怒るから結界だけにしておく」

《……》

 そうだな、と、テンが無言のまま首を縦に振る。
 私もだけど、テンもナルトが負けるとは思っていないらしい。ひょっとしたら、負けても自分がいるからと思っているだけかもしれないけどね。
 テンと協力しながらやり過ぎだろうっていうぐらい結界を強化している横で、ナルトが両腕にチャクラを集めている。九尾モードに近いのかもしれない。
 両頬の三本の線が濃くなり、纏うチャクラも妖気を帯び始めている。
 少し離れたこの場所にも、ナルトから発せられる風が叩きつけられ、頬にピリ、とした衝撃が走った。
 風遁の何かを使うみたいだけど……何か嫌な予感がする。


「風遁――大玉螺旋弾」

 
 ……ん? 
 風遁。大玉螺旋丸じゃなくて?
 このタイミングでナルトが螺旋丸を使える事にじゃなく、最後に弾がついた事に疑問を覚える。
 手裏剣でもないんだよね。
 ナルトの周りにこれでもかというぐらい浮かぶのは、通常サイズの螺旋丸。大玉でもなんでもなく、手の平サイズ。

「躾のなってないアホ狸は調教してやんなきゃいけねーよなぁ」

 ニヤリ、とナルトが笑う。
 声が小さかったのか、どうやら守鶴は気付かなかったらしい。気付いたら、今頃もっと煩くなってただろうけど。
 

《これでもくらっときなァ。風遁・練空弾〜!!!》


 守鶴が自分の腹を叩く。吐き出された空気砲弾。チャクラを練りこんだ砲弾は確か、対象者に当たると破裂するはず。
 弾丸口から幾つもの砲弾が発射され、それが一気にナルトへと襲い掛かる。ガマ親分も傷だらけになってた固有術だっけ。おぼろげな知識を引っ張り出しながら、私はこれから来るであろう衝撃に印を組み、結界の綻びに備える。
 ここは風影が収める里。少しでも外にこの凶悪なチャクラを漏らせば、討伐隊が編成されてもおかしくない。
 
「一尾の固有術…ね。聞いてたけどこの程度かよ」

 ナルトの、つまらなさそうな声が耳に届いた。
 砲弾が迫ってくるような緊迫した場面とは思えない程ゆっくりと、円を描くように右腕を上に上げる。その周りには、チャクラを凝縮された状態で漂う螺旋丸。
 
「――…発射」

 掲げていた腕を、ナルトが一気に振り下ろした。

 それを合図に、漂うだけだった手の平サイズの螺旋丸から光が放たれる。まるでレーザーのように守鶴が放った空気砲弾めがけて一斉放射。
 あの螺旋丸一つで、長さ10cm程のレーザーが10発。流石に守鶴の空気砲弾はレーザー1発で相殺は出来ないものの、2発目が当たると同時に宙で弾ける。
 ナルトの周
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