第三十二話 夜の会話その十四
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「日本のね」
「それは言うまでもないわね」
「ええ、けれどね」
「埼玉は違うのね」
「もっと言えば神奈川もだけれど」
「神奈川は言われないわね」
「都会だから」
こちらはというのだ。
「政令指定都市二つあるし」
「横浜と川崎ね」
「だからね」
それでというのだ。
「神奈川はね」
「言われないのね、けれど」
それでもとだ、咲は母に反論した。
「埼玉も指定都市あるわよ」
「さいたま市ね」
「そうじゃない」
「けれどそれは最近のことで」
「昔は違ったから」
「だからね」
その為にというのだ。
「埼玉はね」
「田舎扱いなの」
「インターネットでも埼玉埼玉とか言ってたわよ」
「そうなの?」
「あんたは知らないのね」
「ちょっとね」
「もうインターネットでは言わないのね」
そのネタはとだ、母は娘の返事にいささかの年代の違いそしてカルチャーギャップを感じつつ応えた。
「そうなのね」
「だから埼玉ってね」
「咲にとってはなのね」
「別にね」
これといってというのだ。
「田舎じゃないわ」
「そうなのね」
「政令指定都市あるし」
そのさいたま市である。
「それに人口多いし交通の便もいいし」
「それは事実ね」
「あとね」
さらにというのだ。
「西武ライオンズもあるし」
「浦和レッズもあるわね」
「サッカーでね、だからね」
「田舎じゃないのね」
「それにすぐお隣だし」
また住んでいる足立区の場所から話した。
「そんなね」
「田舎じゃないわね」
「何処が?」
母に問い返す風な言葉だった。
「そう思うけれど」
「けれどお母さん達の世代ではネタでも田舎扱いで」
「お父さんはなのね」
「しかもお父さん実はあまり西武好きじゃないのよ」
野球の話もあるというのだ。
「あのチームが」
「あれっ、お父さんアンチ巨人じゃない」
「だからよ」
「西武と巨人の何の関係があるのよ」
「それ調べると面白いわよ、西鉄だった頃からね」
「そうなの、じゃあ調べてみるわね」
「ええ、じゃあ今日はもう寝なさいね」
母は娘に話した、そして咲は西武ライオンズと巨人の西鉄時代からの関係を知ることになるがそれまた別の話である。今はじっくりと寝て英気を養った。
第三十二話 完
2021・9・23
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