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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第四十三話 派閥
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とやら…とは地球時代から変わらないみたいだ。
「ヤマト、はい。誕生日おめでとう」
「ありがとう、開けてもいい?」
「気に入ってくれると嬉しいけど。何選んだらいいか分からなくて…」
「お。こりゃ嬉しい」
エリカからのプレゼントはスカーフだった。微妙に色を変えて三枚…これなら勤務に差し支えなく着用出来る。そうなんだよ、官給品のスカーフは安っぽくて、首が擦れて赤くなるんだ。
「これは本当に有難い。大事に使わせて貰うよ」
「よかった…」
…二人とも、ニヤニヤするのは止めてくれ。
「青春ねえ」
「あーあ、私も彼氏作ろうかな。曹長、誰か紹介して下さい」
「エリカさん、誰か将来性豊かな方はいらっしゃいません?」
「将来性ですか?だったら私の周りよりヤマトの周りの方がたくさん居るんじゃないかなあ。どう?」
「将来性ねえ…みんな才能が偏ってるからな…私生活は全くダメな魔術師とか、ケンカを売るのと逃げるのだけは一級品とか…頭をやたらかきむしりながらブツブツ言う奴もいるな」
「私生活がダメな魔術師って、ヤン中佐の事?」
「よく分かったな…ああでもヤンさんはダメだ、もう相手がいる」
「そうなの!?誰?」
「初耳です、誰なんですか?」
「…誰だっていいじゃないか、とにかく俺の周りは偏った奴だらけなんだ。ヤンさん以外なら紹介してやるよ」
やれやれ…。



2月17日12:00 ハイネセン、ハイネセンポリス、シルバーブリッジ24番街、アレックス・キャゼルヌ邸
アレックス・キャゼルヌ

 しかしだ、こいつらが来る時は何故いつもメシ時なんだ?前にも言ったがここは士官学校の宿舎じゃないんだぞ?ヤンを筆頭に、アッテンボロー、ウィンチェスター、バルクマンとマイクにフォークとスールズ…
今日はジャン・ロベールも居るな。よく言えば気鋭の若手士官の私的研究グループ…よく言えばだが…ただどう見ても飲んだくれ共の集まりだな…。
でもこれだけ人が集まるとそれぞれ飲み方が違って面白い。
ヤンとウィンチェスターはどちらかと言えば上品だ。だがヤンが酒量をわきまえているのに対してウィンチェスターはマイペースで眠くなるまで飲むタイプ。アッテンボローとマイクは賑やかに、バルクマンは何かしらブツブツ言っているし、フォークは酒乱という訳ではないが絡み酒で酔いつぶれる。スールズは泣き上戸…。だからこいつらが来ると、俺は酔えない…俺まで酔うとオルタンスに叱られるしな…。
「本日は皆さんに報告があります」
「ラップ、どうしたんだ急に改まって」
「不肖、このジャン・ロベール・ラップ、婚約することになりました!」
ブーイングと拍手が混ざって騒がしい事この上無い…。相手は…ああ、あの娘さんか。懐かしいな、士官学校時代からちゃんと続いていたのか…。
「…ヤン、いいかな?
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