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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epilogue彼らの物語は今ここに終わる
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つもりだ。だからポイ捨てなんて人聞きの悪いことには反論させてもらう。とまぁ、リヒャルト卿は反対派だが、マリアンネ聖下が賛成派になったことでシャルの勢いは膨れ上がり、結果としてこの三界大戦終結後にシャルに精子提供することになった。

「ていうか、トリシュ。あなた、しどろもどろになりすぎ。初心なフリしてさ。もうじき結婚するんでしょ?」

「だから慣れてるんじゃないの?」

「キスは何回くらいしたのでしょう?」

「おっぱい揉まれた?」

「な、慣れてない! してない! 揉ま・・・ああもう! この話はおしまい!」

私たちの話を聞いていたらしいルミナがそう言ってトリシュの頬を人差し指でぐりぐりした。彼女の言うようにトリシュは、かつて率いていた騎士隊の元同僚と結婚することになったそうだ。ルミナやセレスがニヤニヤしながらトリシュに詰め寄り、シモの話ということでトリシュは顔を真っ赤にした。

「まったく。これから大事な一戦を戦い抜かなければならないというのにこの子たちったら・・・」

「シャル隊長たち、男性も近くに居らっしゃるのになんて話を・・・」

「騎士フィレス、ミヤビ」

戦天使(ヴァルキリー)”や協力してくれている魔族や天属とも普通にコミュニケーションを取り、本作戦の作戦を再確認していたフィレスと、彼女に付いて回っていたミヤビが戻って来て、それぞれシャル達の話にリアクション。フィレスは呆れからの嘆息。ミヤビは顔を真っ赤にしてモジモジしている。
ミヤビと言えば、この2年半で最も驚いたのが彼女の出生の秘密だ。彼女がまさか、魔界最下層の魔人の血を継いでいたとは。ディアヴァルネール族と呼ばれる魔人種で、ミヤビと同じような結晶角を具現化して、その戦力を引き上げるという能力を持つ鬼人。

(再誕戦争時に、同盟軍にも連合軍にも属することなく両勢力にケンカを売っていたそうだ。確かに、ヴァルキリーから所属不明の魔術師に何度も襲撃されているという報告は受けていたような気はする。おそらく、その魔術師が鬼人だったのだろう)

そんなミヤビは、この2年半で魔界最下層に在る鬼人の里ヤッフェルに三度ほど赴いている。“ラグナロク”の影響で人間の世界――表層世界に取り残された分派の末裔、そのクローンであるミヤビは、自分の血の故郷に興味を持ち、私がアースガルドへ帰還する際には有休を取って付いて来ていた。ミヤビの淑女然とした性格・立ち振る舞いがあちらの鬼人たちにも受け、快く迎え入れられているようだ。だから鬼人が今日みたく下位次元世界に訪れた際は、ミヤビがパイプ役となってくれてもいる。

「お疲れ様です、騎士フィレス、それにミヤビも」

「あなたも。すごいわね。これだけの仲間がいる中での戦闘なんて生まれて初めてで、ちょっと興奮しているわ」

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