相反する信条
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ってたけど」
そう言いながら、周囲を見渡す。
この高架下に来てから少し時間も経っている。何も言わずに来たから、清香とコヒメも心配しているだろうが、その他には誰も迷惑がかかっていない。
「そもそも、もしあなたが目的のために手段を選ばないんだったら、さっきの町中で戦うんじゃないの? それでも、わたしたち参加者をここに連れてきたってことは、無関係の人に被害が及ばないようにしてくれたんでしょ?」
「ふざけるな」
ソロは唇を噛みながらスターキャリアーを掲げる。
ムーの紋章を描くそれは、彼がこれから戦闘に入る意思表示でもあった。
「ムー以外の全てを、俺は拒絶する。オレが場所を変えたのは……ただ、面倒だっただけだ!」
ムーの紋章は、その数を増やしていく。
正面から、右、左。そして後ろ。
そうして、ソロは両手を広げる。
四つのムーの紋章が回転し始めると同時に、ソロは告げた。
「電波変換!」
大地より湧き上がる紫の光。さらに大きく浮かび上がるムーの紋章。
やがて、掻き消されていく紫。
その中より現れたのは。
孤高の全てを紫のマスクに隠し、その誇りを胸の紋章に表したムーの戦士。
「ブライ……!」
響は、その名前を口にした。
ブライは、ラプラスを、そしてその剣を持った紫に燃える腕を見せつける。
「まとめて相手してやる……! ランサー! キサマも来い!」
「……本当は、わたしは戦いたくない」
響は、静かに首から下げられているペンダントに触れる。
赤い宝石のようなそれ。聖遺物、ガングニールが埋め込まれた、シンフォギアの起動装置。
「でも……戦うことでしか……拳を交えることでしか、分かり合えないことだってある! だからわたしは……ソロ……いや、ブライ! あなたと、全力で戦う!」
ガングニールのペンダントを掲げ、
唄った。
『Balwisyall Nescell gungnir tron』
眩い光とともに、響の体が純白の空間に包まれていく。
拳、蹴り。演舞のごとく体を動かすたびに、その全身にアーマーが装着されていく。
そして。
SG03−gungnir
現れる、マフラーをたなびかせた響。
光を裂いて、シンフォギア、ガングニールの拳を、響はブライへ突き出した。
「だから……わたしは、あなたと全力で戦う!」
「これが……聖杯戦争の参加者……」
響の姿を見ながら、美炎は呟いた。
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