相反する信条
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かじかんできていた。
「何!? コンタクトって、こんなに見つかりにくいものなの!? 友達が眼鏡のがいいって言ってたのも良く分かるよ!」
「頑張って探そう!」
一方の響は、めげることなく手探りを続けていた。
「す、すごいね響ちゃん。どこからそんな胆力が湧いてくるの?」
「うん? まあ、わたし人助けが趣味なところあるから」
「まさかの特殊趣味!? 剣術趣味の可奈美がくすむくらい!」
「お? 可奈美ちゃんと知り合いなんだ」
まさかの共通の知り合いに驚く美炎。
響もその話を切り出そうとしていたようだが、中年男性の「ない、ない……」という呻き声によって、コンタクトレンズ探しを優先させようと暗黙の了解が走った。
「えっと……」
「うーん、何かコツなかったかな……? あ、そうそう!」
響はポンと手を叩いた。
「前はね、こういう風に地面スレスレで探すと早く見つかったんだよ! これで太陽の光で分かりやすくなった!」
「まさかの経験則あり!?」
だが、試してみようと美炎は顔を道路に付ける。
頬とアスファルトがピッタリと張り付くという始めての感覚を味わいながら、透明な視力矯正器具を探す。
「あ!」
その時。
美炎の目は、路上の星を捉えた。
「あったどーっ!」
「で、可奈美と知り合いなんだね」
コンタクトレンズを渡した後、ぶらぶらと美炎は響と歩いていた。
来た道と思われる方角へ、焦ることなく(清香からは『早く帰ってきて!』とメッセージがあった)戻っていく。
「美炎ちゃんもなんだね」
響も頷いた。
「可奈美とは、同じ美濃関学院なんだよ」
「ほえ〜。あれ? 美濃関って刀使の養成学校だよね……およ? 覚えた記憶がない知識が頭の中にあってぐあんぐあんする……! これがサーヴァントの体か……」
「どうしたの?」
「あ、いや何でもない」
響は慌てて手を振る。
「いやあ、可奈美ちゃんの剣術大好きはわたしもビックリしたけど。もしかして、美炎ちゃんも剣術大好きだったりするの?」
「可奈美ほどじゃないけど、わたしも剣は好きだよ。ほら、こうして常に携帯してるくらいには」
美炎はそう言って、赤い笛袋を見せつける。
加州清光が収められたそれは、響の目を丸くさせた。
「おおッ! なかなかカッコイイ! ちょっと触らせて!」
「いいよ!」
そんな会話を繰り返しながら、やがて大通りに出てきた。
車通りが激しくなり、それによりだんだんと見滝原の中央へ向かっているのではないかと思えてくる。
「お? もしかして、こっちに行けばわたしたちが来た方へ戻れるんじゃない?」
「わたしもそう思ってた!」
美炎と響は顔を
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