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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
第四十二話 夢想
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け目は無さそうだ…。
「武装解除の作業に入らせてもらいます。不本意でしょうが、作業の協力者をこちらから指名させてもらいます…ミューゼル中尉、キルヒアイス少尉。いらっしゃいますか」
俺、だと?それにキルヒアイスも?



9月18日15:05 自由惑星同盟軍、EFSF第二〇一哨戒隊、ヤマト・ウィンチェスター

 ラインハルトだ…キルヒアイスも…。
ちょっとやだ、まじイケメン!…言葉が出ない。
小説を読み始めた当初は、この二人が大好きだった。小説、アニメと進む内に、感情移入の対象が同盟側に移っていった。対象がヤンや同盟側に移っただけで、今でもこの二人の事は大好きだ。読者としては同盟も帝国もない。
攻撃的で不遜な蒼氷色(アイス・ブルー)の瞳、豪奢な金髪……長身で燃える様な紅い髪…うんうん、この二人はこうでなくちゃなあ!
「ミューゼル中尉です」
「キルヒアイス少尉です」
「初めまして。自由惑星同盟軍、ヤマト・ウィンチェスター中佐です。中尉には機密情報および航路データの提出、その後の電算機の封印を、少尉には艦内の武装解除を手伝ってもらいます」
「了解しました」
「了解しました」
俺の合図と共に、キルヒアイスと装甲兵二十名が艦内の全部に向かって行く。こうやって別々にしておけば、何か考えていたとしてもお互い変な気は起こさないだろう。
「お若いですね。幼年学校を卒業したばかりですか」
「そうですね」
「データによると、貴方の姉は皇帝に仕えていますね…ああ、怒らないで下さいよ?…云わば寵姫の弟だ。そんな貴方、いや貴方達が何故こんな前線に?」
「…貴官には関係ないでしょう」
「周りに嫌われていますね、相当」
「……」
「それとも前線で武勲をお望みだったのかな。まあそれもあるでしょう。だが、戦死する事を願われている…思い当たる節はありませんか?」
「…航路データの移動、終了。あとは機密のみです」
「…ありがとうございます」



9月18日15:05 銀河帝国軍、イゼルローン要塞第二三七駆逐隊、ハーメルンU
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 …こいつは何を知っている?帝国軍の人事情報が洩れているのか?…確かに戦死を望まれている節はたしかにある…それを知っている。そして貴方達はと言い直した。俺とキルヒアイスの関係を知っている言い方だ。
「…航路データの移動、終了。あとは機密のみです」
「…ありがとうございます」
物腰は低いが、油断ならない奴だ…だがそう心配する事はないだろう。俺達はもう帝国に戻る事は無いのだから…しかし、俺が同盟に囚われてしまったら姉上は…。
「姉上が心配ですか?もう帝国に戻れないと?」
「失礼ですが、黙っていては貰えませんか。敵の貴方に小官の素性を詮索されるいわれはない」
「そうで
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