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Fate/imMoral foreignerS
始まりから夏休みまで
燃える生贄人形と戦う話
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こいつは本当に馬鹿なやつだ。
けど…私が思っていたよりもずっと、こいつは優しい人だった。
と、近野の舞に対する印象が改めさせられる。

「お前…馬鹿だろ…!」
「うん…ぼく、あんまり頭よくない…から。」

そう言って舞は、よろよろと立ち上がる。
状況は芳しくない。
あのウィッカーマンに対する策はまだない
しかし、離れたところにいた友作は1つの案を思いついていた。

「暮馬!巴御前は!?」
「え?と、巴さん?」

隣にいた暮馬にそういう。
増援、という意味でもあるがその他にも彼女にはやってもらいたいことと役目がある。

「巴御前なら多少は炎に耐性くらいはあるんじゃないか?今すぐに呼んで欲しいんだ!」

彼女ならば、ウィッカーマンに少しくらいは対抗できるかもしれない。
炎を扱うならば、耐性があるのではないか?
あの燃え盛る人形に太刀打ちできるのではないか?
それに、手一杯なキルケーと森長可に代わり向こうの3人を助けられるのではないか?
そういったあらゆる期待を込めて、マスターの暮馬に聞いてはみたが…。

「よ、呼ぶって言っても…巴さんには今日男同士の話し合いがあるからって先に帰ってもらってるんだよ!」
「じゃあ令呪で呼べばいいだろう!?」
「それが…。」

口ごもる暮馬。
巴御前を呼び出せない理由、それはあまりにもくだらないものだった。

「出かけてる…?」
「ああ…前々から約束してたみたいで…今妹と出かけてるんだ…。」
「…。」

何も言うことなく、頭を抱える友作。
手を合わせ、本当にごめんと心の底から謝る暮馬だがそれはしょうがない。
令呪で呼び出したとて、妹からしてみれば隣に居たはずの巴御前がいきなりいなくなるのだから。
さらに彼は、巴御前がサーヴァントだということを家族の皆には内緒にしている。
話せばとても長くなるし、説明もこの上なく面倒くさい。
第一、ゲームの登場人物がある日突然自分のところへやってきたといって信じてもらえるだろうか?
答えは、否だ。

「なら…後は火消しが来るのを願うしかないな。」
「火消し?火消しって消防士を呼ぶのか?」


しかし、万策尽きた訳じゃない。
スマホを取り出した暮馬に友作は手のひらを突き出して待てと指示する。

「そうじゃない。火消しは火消しでもサーヴァントの方だ。」
「火消しのサーヴァントって…あ!」

ようやく、火消しとは何か答えにたどり着いた暮馬。

そう、火消しとは

「良かったな。噂すれば影だ。」

2人を飛び越え、瓦礫の中を駆けるサーヴァント。
ウィッカーマンは初めて、そのサーヴァントに興味を抱き振り返った。
その時にはもう跳び上がり、既に眼前にまで迫っている。
そして…


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