始まりから夏休みまで
燃える生贄人形と戦う話
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たのは、近野さんのサーヴァント。
「森くん!」
「おうよ!次どっか行く時はオレに行き先教えてからにしろよな!!殿様守れねぇとか一生モンの恥だからよ!にしてもあっちぃなテメェ!!」
ウィッカーマンの腕を弾き、よろけたところでさらに追い打ちをかける。
「ぶったぎれろや!!『人間無骨』ッ!!」
それは人でなくともいとも簡単に腕を叩き斬った。
ウィッカーマンは多少怯み、数歩後ろに下がるが近野さんのサーヴァント、森長可は好機とばかりにぶつかって行く。
「どうしたどうしたァ!文字通りの木偶人形ってかァ!?」
突く、薙ぎ払う。
例え火が己の身体に燃え移ったとしても、バーサーカーは気にすることなく突っ込んでくる。
「早く!森くんが何とかしてるうちに…!」
「え、あ、うん!」
近野さんにそう言われ、また鉄筋に力を込め、瓦礫を持ち上げようとする。
しかしやはりというかビクともしない。
さらに隣にいた近野さんもまた、同じようにてこの原理で鉄パイプで瓦礫を浮かそうと悪戦苦闘している。
「このまんまじゃダメだ!せーので同時にやらないと…!」
「分かった。気に食わないけど先輩の為だから。お前に合わせる。」
「…うん!」
がむしゃらにやっていたとしてもダメだ。
2人いるのだから、2人で力を合わせないとこの瓦礫はどかせられない。
僕がそう提案すると、近野さんは嫌そうな顔をするものの、渋々了承してくれた。
てっきり、お前の提案なんかのむもんか。とか言われそうかなと思ってたけど…。
「よし…せーのっ!!」
2人同時に、全体重をかけて力を入れる。
するとどうだろう、1人では全く動かなかった瓦礫が
「…動いた!!」
僅かだが浮いた。
その内に先輩はさっと足を抜き、なんとかして窮地を脱することが出来た。
「先輩!?立てますか!?」
「ごめん…足折れてるかも…上手く立てないや。」
けど安心するにはまだ早い。
田所先輩の挟まれていた足は折れているらしく、1人ではまともに立てない。
なので僕達が左右の肩を持ち、とりあえず安全な所まで連れていくことにした。
「はは…何から何まで迷惑かけちゃって…ごめんね。」
「普段は僕がいっつも迷惑かけてるんで…大丈夫です!!」
血の流れている先輩の足は非常に痛ましかった。
本人はヘラヘラとしているけどきっとすごく痛いはずだ。
「ところで…これは夢かな少年?」
「えっ?」
「なんかでっかい燃えてるのがいて、それを魔法使いみたいな人が空飛んで戦って、戦国時代から来たみたいな人が槍持って暴れてる。いや、痛くないからこれは現実なのかな?」
「詳しいことは後で!先輩は自分の身体の事だけ考えてください!!」
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