暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第二章:空に手を伸ばすこと その参
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話

 それを自然な様子で受け入れた曹操は言葉を続ける。

「では仁ノ助、あなたには春蘭の部隊に一時的に入ってもらいます。その後の活躍次第では隊を率いさせることもやぶさかではないわ」
「ご期待に必ずやお応えしましょう。してそのお方とはこちらの・・・?」

 仁ノ助がちらりと黒髪の女性に目をやって問う。それに答えるように女性が胸を張り、誇り高く答える。

「私こそが曹孟徳一の猛者、夏候元譲だ!」
「姉者が度々迷惑をかけてすまない。私は夏候妙才という」

 曹操の隣に立つ黒髪は夏候惇、隣の水髪は夏候淵なのか、随分仲が良さそうな姉妹だ。最早驚きを表さない仁ノ助は二人に向かい敬意を表す礼をする。先程まであちらは怒ってはいたが、今からは時によっては背中を預けることとなる。信用がならないといえども表面上は納得する度量があるらしい。
 しかし反対側に立つ軍師はそうではないようだ。二人が名乗ったのにも拘らず口を噤んで沈黙を保ち、まだ睨みを利かせている。だが自分だけ名乗らないというのもまた無礼と思ったのか、酷く不機嫌な声で本当に不承不承という風に言った。

「・・・・・・荀文若よ」

 王佐の才はもう話すことは無いとそっぽを向く。
 これで全員が名乗ったことになる、一人は未だに気を失っているが。

「ではそろそろ進軍再開といきましょう。潁川まで気を緩める事を無いようにせよ!」
「「「「はっ!!」」」」

 四人はそれを聞いてすぐさま行動に移った。夏候惇の後を追うように仁ノ助と夏候淵が続いて本陣を出る。
荀ケは全軍に出立の命令を出すために遅れて本陣を出た。
 そして本陣内には悠然と佇む曹操と、未だに気を失って口から泡を吹いている詩花が残された。

「・・・・・・えっ。これ、私が面倒見るの?」


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ