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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第二章:空に手を伸ばすこと その参
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賊共の逃げ先をつきとめま、し・・・・・・た?」
「華琳さま、主命滞りなく勤め・・・・・・・」

 二人は目の前で行われる混沌とした格闘に思わず唖然とした様子となり、報告を紡いでいくにつれて萎みがちとなってしまった。黒髪の女性は数秒目をぱちくりさせると目に正気の色を取り戻し始め、子供が仕返しを企むような笑みを浮かべる。悪戯めいた表情は全体的に豪快な印象を受ける美顔に意外と似合っている。

「・・・いいぞそこの変態、もっとやれ」
「いいわけないでしょおおお!!!何煽ってんのよイノシシィィイイッッ!!!!!」
「うへへへっへ、ここがええんかああ!?はあはぁ、ここなんやろおお!?」

 輪にかけて混沌さを増した惨状は最早手に負えるものではなくなってきた。仁ノ助と曹操はゆっくりとお互いを見詰め、そして長年連れ添った夫婦が心を通わせたかのように自然と目線を合わせる。
どうしようもない部下を持っていることに対する同情と、そんな部下を持っている相手に対する深い憐憫の情を交えて、声に出さずに互いを思いやる。

ーーー苦労してるな・・・・・・。
ーーーお互いにね・・・。

 事前に打ち合わせたかのように全く同じタイミングで深い溜息をつく。今後大変な部下を持つ上司として仲良くやれそうな気が、仁ノ助の中に芽生えていた。目の前で起こる混沌は今暫く続きそうな予感がし、それを止める実力行使の手段を彼は考え始めていた。




「本っっっ当に申し訳ありませんでしたっっっっ!!!!!!!」

 地に付かんばかりに頭を下げる仁ノ助。目と表情は今までの人生の中で一番真剣なものである。その隣には頭から煙を上げて伏せている赤毛の変態がいた。煙は頭部に大きく出来たタンコブから出ているらしい。この変態、詩花は意識を完全に失って白目を出しており、体が時折ひくひくと痙攣していることから殴られてさほど間を置かれていないことがわかる。
 怯えを出しながら猫耳が真っ先に口火を切る。

「当たり前よ!!!なんでこんな変態を躾けておかないの!?!?ほんっとうに使えない男ねっ、この全身バカ性液魔人!!!」

 彼女の仁ノ助への評価が人間から魔人へとランクアップした事態には喜ぶべきなのであろうか。彼女の方を見て魔人呼ばわりを止めて欲しいと言ってやりたいが、今は素直に頭を下げて侘びをいれなければならない。さもなくば軍師を愚弄し、その主をも辱めたとして斬首となってしまう。

「・・・・・・いつも威張ってるからこうなるんだ」

 曹操を挟んで軍師の反対側に立つ体験を背負った女性が言葉をさらりとこぼす。それは聞き捨てならないと軍師の怒りの矛先が変わる。察するに両名は相当相性が悪いらしい。

「なによっ!あんたこそ煽ってないで助けたらどうなのよ!?いつも突撃ばかり考
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