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イベリス
第三十二話 夜の会話その一

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                第三十二話  夜の会話
 咲は愛とクラスメイトの店に行くことになった、だがその前にだった。
 アルバイトを休ませてもらった、そうしてだった。
「あんたいつもテスト前はそうね」
「うん、出来るだけね」
 咲は母に家で話した。今は上下共緑のジャージ姿で髪の毛もぼさぼさである。顔には度の強い眼鏡がかけられている。
「お勉強に専念してるの」
「部活も休ませてもらって」
「そうしてるの」
「あんた普段から勉強してるでしょ」
 母は娘に言った。
「そうでしょ」
「ええ、けれどね」
「それでもなのね」
「やっぱりね、テストは油断出来ないから」
 それでというのだ。
「テスト前はね」
「いつも時間取ってなのね」
「普段以上に勉強してるの」
「そうよね、中学一年の時から」
「成績はいいに越したことないでしょ」 
 咲は母にこの現実を話した。
「だからね」
「それでなのね」
「勉強してるの」
「だから成績いいけれどね」
「だったらいいでしょ」
「ええ、けれどね」 
 それでもとだ、母は台所の冷蔵庫から牛乳を出してそれをコップに入れている娘に対して話した。
「結構徹底してるわね」
「そうかしら」
「将来いい大学目指してるみたいに」
「実際大学進学したいわ」
「それは聞いてるけれど」
「高校に入ってもね」
 即ち今もというのだ。
「勉強してるの」
「ちゃんとなのね」
「そうなの」
「それならもっとね」 
 母は娘に話した。
「偏差値高い高校目指せてね」
「入れたっていうのね」
「そうでしょ」
「いや、進学校って窮屈でしょ」
「学校から色々補習するからなのね」
「そういうの苦手だしあの高校制服選べるし自由だし色々楽しそうだって思ったから」
 咲は母に今の高校に入った理由を話した。
「だからね」
「それでよね」
「ええ、勉強は自分でして」
 補習なぞ受けずにというのだ。
「したいから。まあね」
「まあっていうと?」
「何度も教科書を予習復習したら」
 そうすればというのだ。
「その中で自分に合った勉強の仕方見付けてね」
「やっていったら」
「成績は自然に上がるけれどね」
「自分でやってもいいでしょ」
「ええ、補習や塾に通わなくてもね」
 尚咲は中学時代は学習塾に通っていた、八条塾東京校という大学入試の予備校も行っている全国のの学習塾である。
「それでもね」
「やっぱり勉強は本人の努力次第ね」
「それはそうだけれど」
 それでもとだ、母は娘に話した。
「そこまでしなくても普段から勉強してたらね」
「テスト前に集中してすることないの」
「そうでしょ、やっぱり何でも普段からしてると」
 そうしたらというのだ。
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