第二十話 災いの雷その五
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「幸せみたいだよ」
「幸せって」
「だって。暖かくてお水も多くて」
それでだというのだ。
「火も雷もなくてね。幸せだって言ってるよ」
「アマゾンって雨も凄く多いらしいけれど」
熱帯雨林気候だ。それも当然のことだ。
「木にとっては確かに」
「アマゾンって木が多いわよね」
「うん、密林でもあるから」
地球の酸素の何分の一かを供給もしている。そこまで木が多い場所だ。
「かなりだよ」
「その皆のところに雨が一杯降るのね」
「そういう場所だよ」
「いい場所だよね」
千春はここでもにこりとなった。
「千春、一度アマゾンに行ってみようかな」
「えっ、アマゾンになんだ」
「アマゾン嫌いなの?」
「だって。アマゾンってピラニアいるし」
その水槽の中の如何にも凶暴そうな彼等を見ての言葉だった。
「それに他の動物もね」
「怖いの?」
「大蛇に毒蛇が一杯いて」
これはその通りだ。アナコンダという巨大な蛇はアマゾンの象徴にもなっている。そしてサンゴヘビという赤や黒の奇麗な外見の蛇もいる。ただしこの蛇は猛毒を持っている。
「猛獣も多いんだよ」
「どんなのがいるの?」
「ジャガーとか鰐とか」
そうした生き物がいるというのだ。
「木の上や川の中から来てね」
「だから怖いっていうのね」
「虫だって凄く多いらしいし」
「虫嫌いなの?」
「嫌いじゃないけれど蚊とかだよ」
熱帯の蚊、それならというのだ。
「熱病とか怖いから」
「アマゾンって希望には怖いところなの」
「緑の地獄って言われてる位だから」
これは本当に言われていることだ。
「あまりね」
「行きたくないんだ」
「遠慮したいね。動物園ならいいけれど」
「じゃあ植物園は?」
「そこもいいね」
希望は微笑んで千春にそうしたことはいいとした。
「じゃあ今度はね」
「動物園と植物園に行くのね」
「アマゾンは怖いけれどね」
本物のアマゾンについてはだ。困った笑顔で答える希望だった。
「あそこはまた特別だから」
「あんな大きな鯰がいて」
千春はまたその巨大な鯰を見た。見れば見る程巨大だ。
「他にもだと」
「何でこんなに大きいのかな」
鯰を見ながらだ。希望も千春に答える。
「そう思うよ」
「とにかくね。今度はね」
「動物園と植物園だよね」
「違うよ。次は何処に回るの?」
「あっ、この水族館のことなんだ」
「そう。何処に行くの?」
「ううんと。そうだね」
少し考えてからだ。希望は千春に答えた。
「瀬戸内海もアマゾンも見たしね」
「他のコーナーだよね」
「じゃあ今度は川のとこ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ