第二十話 災いの雷その三
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「絶対に」
「友井君は確か」
「はい。博物館になりますね」
「学芸員になりたいんだったよね」
「八条博物館はいいですよね」
彼等が通う八条学園内にある。世界屈指の博物館でもある。
「あそこは」
「いいね。あの博物館は」
「博物館はいいものです。人の業績を集めたものですから」
「うん、だからこそだね」
「入りたいですね。できれば」
「それじゃあお互いにね」
「頑張りましょう」
二人で話したのだった。このことも。
そしてこの話をしてだった。希望も真人も部室を後にした。そうしてだった。
真人はその日は千春と共にその八条水族館に向かった。そこに入りだ。
まずはペンギン達を見た。希望は氷の上をよちよちと進み水の中では魚よりも見事に泳ぐ彼等を見てだ。目を細めさせてこう千春に言った。
「いいよね。ペンギンって」
「ペンギン好きなんだ」
「そうなんだ。子供の頃からね」
好きだとだ。希望は言う。
「見ているだけで」
「ペンギンって面白いよね」
「どう面白いかな」
「うん。飛べないけれど」
それで有名でもある。
「それでもね。海の中じゃね」
「物凄く上手に泳ぐよね」
「だから。それはそれでね」
「凄く狩りに向いてる鳥なんだよね」
「そこは鷲とかと同じだよね」
「確かに。外見は可愛いけれど」
それでもだとだ。希望もわかったのだった。
「狩りについては」
「だよね。凄く向いてる身体だよね」
「泳ぐのが速いから」
魚を捕まえやすいのだ。
「そういう鳥だよね」
「それを考えたら」
「ペンギンって面白いよね」
「そうだね。今気付いたよ」
希望はそのペンギン達が水の中で泳ぐのを見ながら言った。
「可愛いだけじゃないんだね」
「そうだよね。じゃあペンギンさん観たし」
「他の生き物も観ようか」
「他に何を観るの?」
「お魚観る?」
次はそれだとだ。希望は提案した。
「海の魚で」
「どんなの観るの?」
「まずは瀬戸内海にいるのがいいかな」
神戸が面しているだ。その海のだというのだ。
「そのコーナーに行く?」
「そうね。それじゃあね」
「うん、行くかなそこに」
「行こう。ただね」
「ただ?」
「変わった生き物がいてね」
希望がこう言うとだった。千春はすぐにこの生き物の名前を出してきた。
「あれ?カブトガニ?」
「あっ、知ってたんだ」
「あれ面白い形してるよね」
「瀬戸内海にしかいなくてね」
生きた化石と言われている生き物の一つだ。
「昔からこの水族館にいるんだ」
「そうだよね。千春も観てきたよ」
「この水族館以
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