第五話 合コンのことその七
[8]前話 [2]次話
「それでいざとなったら」
「誰からもだ」
「助けてもらえないのね」
「そんなものだ」
「そうなのね、けれど本当に嫌われていたら」
かな恵はこれまでの人生経験から話した。
「もう最初からね」
「誰からも無視されるか」
「そうじゃないの?」
「それは違う、まだ更正の余地があるから皆無意識でも嫌いと言う」
「それで嫌われることするなって言うの」
「そして無視もしてな」
そうしてというのだ。
「教えるものだ」
「そうなのね」
「嫌いな相手でもな」
「徹底的に嫌っていないと」
「そして更正の余地がある奴は自分が嫌われていると自覚する」
そうなるというのだ。
「それであらためようともするが」
「本物の嫌われ者は違うのね」
「自覚しない」
全く、というのだ。
「自分が嫌われていることをな」
「そうなのね」
「そして近寄っても来る」
「嫌われていることを自覚しないで」
「こんな奴は中々避けられないんだ」
「だから表面上でも付き合うのね」
「そうだ、しかし実はな」
付き合っている相手はというのだ。
「嫌っていてな」
「陰口を言うのね」
「無理して付き合う分余計にな」
「そうなのね」
「そういうものだ」
こう娘に言うのだった、そしてチーズを飲んでまた一杯飲む。父がそうすると今度は母がかな恵に言ってきた。
「こうしたこともね」
「覚えておくといいのね」
「ええ、本当に嫌われる人はね」
「お父さんの言う通りなの」
「そうした人よ」
「嫌われていることに気付かないで」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「馴れ馴れしい感じでね」
「余計に嫌われるのね」
「そうよ、そして反省もね」
これもというのだ。
「しないのよ」
「嫌われるままね」
「行いもあらたまらないから」
「反省しないから」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「政治家でいるでしょ」
母なこちらの仕事の人の話もした。
「きつい顔した白い服の女の人」
「黒髪を短くした」
「あの人はもうそれも超えて」
「今話している様な人よりも嫌われているから」
「だからね」
それでというのだ。
「ああはならないことよ」
「あの人確かに嫌われてるわね」
かな恵もその政治家についてはその通りと頷いた。
「ネットでもね」
「嫌われてるでしょ」
「物凄くね」
「ああして自分に甘く他の人に厳しくてね」
「言い方が攻撃的で」
「あげつらってばかりだとね」
そうならというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ