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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第四十一話 遭遇
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小官が執ります」
「隊司令自らですか?危険です、おやめください」
「暇な士官は小官しかいませんからね。それに、帝国軍の生の情報に接する機会はそうありません、早くしないと降伏をよしとしない者たちが機密情報を消去してしまうかも知れない、急いで準備を」
「了解しました。敵艦への通信完了」
…可哀想だけど、消したら本当に吹き飛ばすだけだ……。さあ、装甲服を着なくちゃ…と。
ふと気づいたんだが、よく考えてみると、過去の戦闘で降伏させた帝国艦だってたくさんある筈なのに、そこから機密情報を得た形跡が全くない。原作の表記を見ても、捕虜の尋問か、亡命者づてか、フェザーン経由の情報しかない。なんと情報を大事にしない組織なのか…バグダッシュ辺りが嘆いてそうな気がするぞ。まあそれだけ帝国軍が真面目に機密情報を消してた、という事なんだが。カイザーリング艦隊を降伏させた時も各艦艇の電算機からは機密情報はさっぱり消されてたし。だから今回はいい機会なんだよな。来てよかったよ…。

 

9月18日14:45 自由惑星同盟軍、第二〇一哨戒隊、戦艦アイオワ
ヤマト・ウィンチェスター

 ”隊司令、聞こえますか”


「艦長、よく聞こえますよ。現在中央ハッチ前にて待機中。…敵艦に傍受されているかも知れません。これ以降はコールサインで会話しましょう」


”了解です。ではこちらはアイオワ・エースとします”


「こちらは…ジョンドゥーとでも冠しましょうか」


”なんて不吉な…了解です。ジョンドゥー、こちらアイオワ・エース、まもなく接舷”


「アイオワ・エース、こちらジョンドゥー。了解した」


”……接舷よし。ハッチ解放”


いよいよか。ちょっと偉ぶるとしようか……。艦長かな?腕を吊っている。着弾の衝撃で骨折でもしたのか…。
「負傷の為左手での敬礼を承知いただきたい…銀河帝国軍、イゼルローン要塞第二三七駆逐隊所属ハーメルンU、艦長アデナウアー少佐です。小官はともかく、部下の命はお助けいただきたい」
「…自由惑星同盟軍、エル・ファシル警備艦隊所属第二〇一哨戒隊司令、ヤマト・ウィンチェスター中佐です。通信で指示した機密保全は為されておりますか。それを渡して頂ければ、艦長以下そちらの乗組員の身の安全は保障します」
機密を渡したら、もしこのまま放免しても帝国に戻れば極刑か農奴階級に落とされる位の処罰がある筈だ。残念だけど機密ごと同盟に来るしかない…しかし、ハーメルンUだって!?
…外伝に出てきた駆逐艦だ。まさか、あの二人が乗っているのか?


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