疾走編
第四十一話 遭遇
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《超光速通信》が入る予定ですので」
「定時連絡…では無さそうですね」
「艦長、エル・ファシルよりF T Lが入っています。スクリーンへまわします」
“異常無いか、艦長”
「はっ、現在ティアマト星系外縁、まもなくイゼルローン前哨宙域に侵入します」
“了解した。ウィンチェスター中佐は居るかな?”
「はい、何でしょうか」
“息災な様だな。いきなりで悪いが、貴官を臨時の哨戒隊司令に任ずる”
「哨戒隊司令…でありますか?」
“ルイジ艦長が、あまりにも暇そうで可哀想です、と言うのでな。ちょっとした思いつきだ”
「は、はあ」
“復唱はどうした?”
「…ウィンチェスター中佐、これより第二〇一哨戒隊の指揮を執ります」
“宜しい。貴隊の愉快なる航海を願う。以上だ”
…なんだこりゃ!?
「作戦参謀殿があまりにも暇そうでしたのでね、乗員からアンケートをとったのですよ。満場一致でしたな、はは」
「満場一致と云われましても…二隻とは云え戦隊には違いありませんし、小官は指揮などしたことがありませんよ」
「民意です」
「民意?」
「この民主共和制の国において、民意は重要ですぞ?しかも満場一致とは中々有り得ない事です、いやめでたい、めでたい」
なんなんだ一体…命令とはいえ、暇だろうから隊司令をやれ、というのはひどくないか…。
「隊司令、何なりとご命令を」
「…では、現在位置を教えてくれますか」
なになに、ティアマト星系外縁、まもなくイゼルローン前哨宙域にさしかかる……ん?
「艦長、このカプチェランカという惑星は…」
「ああ、系外惑星のカプチェランカです。鉱物資源は豊富ですが、極寒な上に大気組成は人間の生存に適しません」
嫌な予感がする。カプチェランカだって?ちょうど今の時期は金髪赤毛コンビか双璧コンビがいる頃じゃないか?
「確か帝国軍の基地が存在するのでは?」
「ええ、存在します。ですが環境が環境ですので艦艇の造修施設がある訳ではないし、規模も小さいので最近は同盟軍も無視…ではないですが、重視はしていません。最近は…七月に惑星上で戦闘がありましたね」
「惑星上?白兵戦ですか?」
「そうですね。ご存知なかったですか?」
「知りませんでした。EFSF再編時に陸戦隊は混成一個大隊を除いて編制から除きましたから、惑星戦闘なんてとてもさせられません。それに陸戦隊を出動させたのは先日のヴァンフリートでの戦い以外はありません…どこの部隊がカプチェランカに行ったんだろう」
「てっきりウチの艦隊の陸戦隊かと思っておりました。不思議ですね」
ううむ、やっぱり小説で話を読むのと実際にその世界に住むのでは分からん事が多すぎる…。
「どうなさいますか?あの基地は大気圏外への攻撃手段は持っ
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