第三十一話 男の子の食べものその八
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「よかったわね」
「ええ、だったらね」
「私達も今度行っていいわね」
「山月堂の東京店ね」
「場所は葛飾だったわね」
「丁度寅さんがいた場所ね」
「そうそう、葛飾ってね」
咲は東京のこの地域の名前を聞いて言った、全体で言うと葛飾区である。
「ああしたお店多いのよね」
「昔ながらのお店がね」
「今もそうなのよね」
「それが観光名所にもなってるしね」
「特に雷門の辺りね」
「寅さんがいて」
映画で有名なこの人物と、というのだ。
「あのお巡りさんも」
「そうそう、あの人もよ」
「あのハチャメチャなお巡りさんもね」
「葛飾なのよね」
「東京の下町の」
「私は足立区だけれど」
咲は自分の家の場所の話もした。
「葛飾区はまた違うのよね」
「東京って面積はあまり、だけれどね」
「人が多いからそれぞれの区で全然違うからね」
「新宿と渋谷でも違うし」
「原宿や銀座ともね」
「巣鴨と鶯谷でもだし」
「世田谷と大塚でもだし」
「山の手線や地下鉄で何処でもすぐに行き来出来るけれど」
それでもというのだ。
「それぞれの区で違うし」
「同じ区でも全然違ったりするからね」
「そう思うとね」
「色々よね」
「この狭さでこんなに色々ある街ないわよね」
咲はあらためて言った。
「世界でも」
「まあそうよね」
「人口一千万だしね」
「世界中から人も集まってるし」
「こんなに色々な場所が狭い中に集まってる街ってね」
「他にないわよね」
「私のお家のあるところは静かな方だけれど」
東京にしてはだ、人の多さでは世界屈指のこの街において静かな場所というのもそうそうはないのだ。
「まあ大抵はね」
「何処でも人一杯いてね」
「常に行き来あって」
「眠らない街よね」
「まさに」
「それで葛飾も」
この場所もというのだ。
「個性あるわよね」
「よく言われるのが下町で」
「親しみやすい場所よね」
「寅さんやお巡りさんがいて」
「江戸っ子の場所ね」
「うん、周りはいい人ばかりだよ」
彼もこう言ってきた。
「だからね」
「そうしたところも楽しめってことね」
「浜崎君のお店に行ったら」
「葛飾自体も」
「そうしてね、やっぱりいいところだよ」
彼もこう言った。
「実は東京にお店出す時銀座とか新宿の百貨店かって話もあったんだ」
「うわ、土地代凄いわよ」
「銀座なんて」
「それもモロ高級だし」
「あそこは」
「新宿にしても」
この地域に店を出すにしてもというのだ。
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