第七幕その六
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「外の世界に戻ってもね」
「食べてるよ」
カルロスが続きました。
「よくね」
「メロンやバナナやオレンジが何時でも好きなだけ食べられることも」
ナターシャはにこりとなっています。
「最高のことですね」
「あれっ、君そう言うんだ」
ここで、でした。ナターシャ達にです。
キリンのうちの一匹が頭を下ろしてきてそうして言ってきました。
「サバンナにはどの果物の木もあるからね」
「このサバンナではそうなのね」
「チンパンジー君やマンドリル君達はよく食べていてね」
それでというのです。
「僕達はね」
「珍しくないの」
「僕達は木の葉や草を食べるから」
それでというのです。
「果物は食べないけれど」
「このサバンナでは珍しくないのね」
「そうだけれどね」
「けれど昔のロシアでは」
ナターシャは祖国のお話をしました。
「寒いだけにね」
「そうだよね、寒いとね」
「そうした果物はないよね」
「メロンとかバナナとかは」
「オレンジにしても実は」
「ああ、サバンナは寒くないからね」
むしろ暖かいです、暑いかというと日差しはありますが快適な空気なのでそんなに暑くは感じません。
「だからこうした果物もあるけれど」
「寒いと」
どうしてもというのです。
「そうしたものもないよ」
「そうだね」
「だから昔はレモンだって」
この果物もというのです。
「ロシアではなかったのよ」
「それは大変ね」
トロットもお話を聞いて言いました。
「レモンがないと」
「レモンティーもレモンを使ったお菓子もないね」
前ノーム王も言います。
「それは大変だ」
「そう言う貴方はレモンも好きなんだね」
「如何にも」
前ノーム王はキリンにも答えました。
「林檎も好きと言ったけれどね」
「レモンもなんだね」
「あの酸っぱさがいいね」
実にというのです。
「そのレモンもないなんて」
「この娘の国はね」
キリンはナターシャを見つつ前ノーム王に応えました。
「大変だね」
「全くだね」
「けれどロシアも変わって」
それでと言うナターシャでした。
「そうしたものも食べられる様になったの」
「そうなんだね」
「日本でもでオズの国でもね」
「メロンもレモンもだね」
「いつも楽しんでいるわ、メロンを食べると」
ナターシャはまた微笑んで言いました。
「頬っぺたがとろけそうになるわ」
「その可愛い頬っぺたがかな」
キリンが言ってきました。
「そうなるのかな」
「可愛いかしら」
「凄くね」
「それは言い過ぎじゃないかしら」
「そうじゃないよ、君達全員可愛くて」
五人共というのです。
「それでね」
「私もなの」
「可愛いよ」
「そうなの」
「そう
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