第七幕その四
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「僕達はね」
「オズの国には沢山の食べものがあるからなのね」
「岸辺に上がったら」
そうすればというのです。
「お弁当を生やす草が一杯あるんだよ」
「それだったら」
「もうそのお弁当を食べるから」
そうすればいいからだというのです。
「だからね」
「食べないんだね」
「そうだよ、そうしなくていいんだよ」
そうだというのです。
「だからね」
「私達には何もしないのね」
「食べものはいつも一杯あるんだよ」
それならというのです。
「それで誰かを襲う必要はあるかな」
「ないわね」
「これはライオンさんや豹さん達もだよ」
彼等もというのです。
「普通にだよ」
「食べものがその辺りに一杯あるから」
「誰もね」
ナターシャにさらにお話します。
「襲わないよ」
「そういうことね」
「草食動物は草や木の実を食べてね」
「肉食動物はそうしているのね」
「そうなんだ」
「そのことはわかったわ。ただ貴方はとても大きいから」
ナターシャは鰐のとても大きな身体を見て言いました。
「食べる量もね」
「多いっていうんだね」
「そうでしょ」
「それがね」
象は岸辺にいるナターシャにお話します、今皆は橋の傍の岸辺にいて川の中にいる鰐とお話をしているのです。
「実はライオンさん達よりもね」
「少ないの」
「そうなんだ」
「爬虫類や両生類はそうなんだよ」
ここでカエルマンが言ってきました。
「哺乳類に比べて食べる量が少ないんだ」
「そうですか」
「身体の仕組みが違うからね」
だからだというのです。
「食べる量はね」
「身体が大きくてもですか」
「少ないんだ」
「そうなんですね」
「それでなんだ」
鰐がまた言ってきました。
「僕にしても」
「食べる量は少ないのね」
「身体の大きさと比べてね」
「だからそんなになのね」
「食べないんだ」
そうだというのです。
「ライオンさん達よりもね」
「そういうことなのね」
「そのこともわかってくれたかな」
「ええ」
鰐に対して頷きました。
「よくね」
「それは何よりだよ」
「鰐のことがわかったからなのね」
「そうだよ、理解してもらったら」
そうしてもらったらというのです。
「誰でも嬉しいね」
「私もね」
「だから僕達も嬉しいんだ」
「そういうことね」
「うん、じゃあ橋を渡るんだね」
「そうさせてもらうわ」
ナターシャは鰐にこのこともお話しました。
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