乱戦模様?
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第三者side
プルプルプルプル
「こちら評議院本部、どうした?」
ウォーレンが作った携帯式魔水晶通信機。全世界に普及しつつあるそれは評議院でも活用されているようで、ジュラが目の前のテーブルに置かれていたそれを手に取り会話をしている。
「・・・わかった、すぐに船でこちらへ戻ってきてくれ」
「誰からですか?ジュラさん」
短い会話を終え通信用魔水晶をテーブルに置き直すジュラ。そんな彼の表情から何かあったことは間違いない。それが何なのか気になったメルディが問い掛ける。
「ウルフヘイム様が意識不明の重体らしい」
「え・・・」
イシュガルの四天王の一人であるウルフヘイム。彼は天使の目撃情報を受けてその国へと出向いていたのだが、そこで天使と思われる人物たちに破れてしまったらしい。
「ウルフヘイム様は大丈夫なんですか?」
「命に別状はないとのことだ。だが、ウルフヘイム様でも歯が立たないとは・・・」
信じられない報告に頭を抱えるジュラ。重苦しい雰囲気の部屋の扉がノックもなく開かれる。
「戻ったぞぃ」
「ウォーロッド様」
ウルフヘイムやカミューニたちと同様に天使の報告を受けて他国へと渡航していたウォーロッド。そんな彼は何事もなかったように評議院へと戻ってきたのだ。
「いかがでしたか?」
「私のところは空振りじゃ。痕跡になりそうなものも残っておらんかった」
「そうですか・・・」
天使の目撃情報の土地に訪れても大半は既にその姿がなくなっているのがほとんど。しかもその場に天使が残っていてると一方的にやられて帰ってくるのが続いており、ますます頭を悩ませる要因になっていた。
「他の皆は?」
「ゴッドセレナ様とリュシー殿のところは既に何もなく今帰路についているとのことです。ハイベリオン様とカミューニ殿からはまだ報告がありません」
「そうか・・・」
いまだに底が知れない敵の存在に対策の施しようがない評議院。だが、彼らの中でも一つだけ希望の光はある。
「一度レオンくんを目撃情報のある地に行かせるのはありかもしれんな」
実力だけなら天下一品のレオン。彼ならば天使たちの対抗馬になり得る上に、活路を見出だしてくれるのではないかと考えたウォーロッド。それにメルディも同調し頷いていたが、ジュラだけはタメ息をついて首を振った。
「ワシもそれは考えました。ですが、今のレオンでは戦力になり得ません」
「え?どういうことですか?」
ジュラが何を言いたいのかわからずメルディが問い掛けたが、すぐに思い当たる節がありポンッと手を叩く。
「もしかしてケガの具合がまだよくないとか?」
アルバレス帝国との戦いで最も大きなケガをしたと
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