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おっちょこちょいのかよちゃん
181 書の使い手、蔡京
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京は二人に斬られて光と化した。
「やったな、仁吉!」
「おうよ!」
 しかし、まだ森には燃えている地帯もある。
「まだ燃えてるブー!」
「キリがねえな!」
「拙者らに任せい!」
 次郎長は刀を時計回りに振り回した。子分達も刀を次郎長に向けた。
「復興せよ、李の森!」
 次郎長が叫ぶ。その時、炎が消えて行く。そして森は切り倒された木々が元に戻り、焼けた李の木が元に戻った。
「す、凄い、戻った・・・」
 かよ子は時間が巻き戻るような復興に驚いた。
「山田かよ子、お主もよくやってくれた」
 石松が褒めた。
「いや、そんな事してないよ」
「いや、あの鳥を出して蔡京の筆を奪っていなければ某も仁吉も斬る事はできなかったであろう。感謝致す」
「う、うん・・・」
「よし、皆、本部に連絡だ」
 次郎長が促した。
「ああ」
 関根が本部へと通信機を繋げる。
「こちら藤木救出班、関根金雄。李の森にいた蔡京とかいう敵を倒した!そして燃えかけていた森も次郎長たちによって無事に元に戻った」
 フローレンスが応答する。
『お疲れ様です。夜分によく頑張ってくれました。それから・・・』
(何だろ・・・?)
『さくらももこちゃん、そのお爺様、その李狩りはいけませんとは言っていませんので李を取りますのは自由ですが、勝手な行動して皆様の迷惑が掛かっていますのです。無鉄砲な行動は慎んでください。それからお爺様、下手をすれば貴方は命を落としていましたかもしれません!』
「す、すまん!」
 友蔵は謝った。
『はっきりと言いますが、貴方にできます事は本当に何もありません。次軽はずみな行動をしましたら本部へ強引に連れ帰し、謹慎させますからね』
 声だけとはいえ、フローレンスの口調に怒りがこもっているのをかよ子は感じ取った。
「そ、そんな・・・」
『嫌なら、従ってください』
「はい・・・」
「ごめんなさい・・・」
 まる子と友蔵はしょげた。
『では、皆様おやすみなさいませ』
 通信が切れた。
「ももこちゃん」
「のりちゃん?」
「お願い、もう勝手な行動しないで!」
「う、うん・・・」
(こいつ、案外、さくらを友達想いになってるんだな、ブー)
 ブー太郎はのり子に対してある思いがあった。
(他の皆にも愛想がよければいいのに、オイラにも・・・)
 ブー太郎はのり子が気に食わないと思いながらも複雑なある思いを感じていた。
「そうだ、お腹空いたよお〜」
「そうじゃ、ご飯の時間じゃ!」
「ご飯ならここだよ」
 まる子と友蔵は羽根の上にある二人分の食事をかよ子に紹介されて食べた。
「おお、シチューか、まあまあかな」
「おお、美味い、美味い!」
 まる子と友蔵はようやくの晩餐にがっついた。
「それじゃ、俺達は寝るぜ」

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