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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
屈服編 至宝の王妃は絶倫に堕ち、新たな命の母となる
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そしてカイオス王の妻……! それだけは決して、揺らぐことはありませんっ!」
「そうか? その割には……」

 だが、それは「己の姿」を知らないから言えること。そう看破していたアンジャルノンはベッドの脇に手を伸ばし、1枚の手鏡を取り出した。
 騎士時代のアイオスが、可憐な少女だった頃のアリアレイテにプレゼントしたものだという、その手鏡は――いわば最愛の人が遺した、思い出の形見。

「……っ!?」

 そんな幸せの象徴とも言うべき手鏡が映し出していたのは。
 アンジャルノンの絶え間ない責めと抽送によがり狂い、恍惚の笑みを咲かせている哀れな王妃の貌。カイオスやジルフリーデをはじめとする聖国の人々から愛された「至宝の王妃」からは程遠い、淫乱なオンナの痴態であった。

「……随分と、悦んでいる貌だが?」
「……っ!? こ、これはっ……!」

 薄々、自分でも分かってはいた。しかし、決して認めたくはなかった。認めるわけには行かなかった。
 そんな自分の「正体」を、よりによって思い出の手鏡によって突き付けられてしまったアリアレイテは、その鏡に映し出された自分のだらしなく蕩けた貌を直視出来ず、目を背けてしまう。

 だがアンジャルノンは、そんな現実逃避など許さない。彼は顔を背けたアリアレイテの視界に手鏡を入れながら、「とどめの抽送」を始めるべく腰を僅かに浮かしていた。
 彼女はすでに「屈服」しているのだということを、理解しているのである。

「さぁ……改めて聞くぞ、アリアレイテ。お前は誰だ? 誰のものだ?」
「……な、何度聞いても同じです! わ、私はこの聖国の王妃、そしてカイオスの……んひぃぃぃあっ!?」

 やがて、何発射精しても衰える気配のない剛剣が、再び抽送を始めると。爆乳を激しく揺らして咽び泣くアリアレイテは、己の現実と向き合うことを余儀なくされていく中で――自分の「正体」を、受け入れてしまう。

 愛していた夫や愛娘との、甘く優しい思い出よりも。今この瞬間、「オンナ」を忘れかけていた自分の肉体に至上の悦びを齎してくれる、アンジャルノンの逸物を選ぼうとしている。
 そんな彼女の「正体」が、最も激しく淫らな姿となって、表出しようとしていた。

(あ、あぁあ……! け、消される……上書き(・・・)されて行くっ! 私とあの人の、思い出……ジルを授かってからも続いた、あの愛おしい日々がっ……!)

 忘れたいわけではない。心だけは、そのつもりだった。しかし、この熟れた肉体を突き動かす激しい肉欲の情動に抗うことはできない。

(あなた、ジルっ……! ごめんなさい、弱い私を許してっ! 私、私はもうっ!)

 自分は妻である前に、母である前に、「オンナ」なのだと言うことを。アリアレイテはその肉体と心に、2度と戻
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