始まりから夏休みまで
先輩と後輩の話
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た人を見つけると、クー・フーリンはその人の頭を鷲掴みにして持ち上げる。
嫌な予感がする。
そしてそれは見事に的中してしまい…
「…。」
「あっあぎゃあああああああああああああああ!!!!」
一瞬にして人は、火だるまになった。
火を消すために水を求めているのだろうか、開放された火だるまはしばらくその辺を走り回り、やがてばたりと倒れる。
それがきっかけになったんだろう。
他に隠れていたものたちが、一斉に飛び出してきた。
「逃げろぉ!!」
「殺されるぞ!!」
それが狙いだったんだろう。
クー・フーリンはニヤリと口を歪ませ、逃げ惑う人々に火の玉を命中させていく。
焼かれ、焼かれ、人々がどんどん炭へと変わっていく。
「なんだよアイツ!?」
「静かにしろ暮馬!!ともかくよく分からないが、このまま無策に出れば二の舞だぞ。」
こんな状況でもとても冷静な友作くん。
確かにそうだ。
恐怖に駆られ、今ここから逃げ出せば僕達も火だるまの仲間入り。
かと言って、ここでずっと隠れていてもいずれは見つかってしまうのは明らかだ。
「じゃあどうすんだよ!!」
「安心しろ。あんな二流のキャスター。一流の大魔女がすぐに退治するさ。」
瞬間、クー・フーリンの周囲にいくつもの魔法陣が展開。
そこから鎖が伸び、彼を拘束した。
さらに
「痛いのは好きかい!?」
電撃。
いや、落雷と言った方が正しいのかもしれない。
凄まじい音と光にクー・フーリンは包まれ、飲み込まれた。
「あれは…友作のキルケー!?」
「何かあった時の為にな、キルケーには螺歩蔵町一帯と俺の周囲は常に見張っとくよう伝えてあるんだ。」
光がやみ、そこにいたのはブスブスと音を立てて煙をあげるクー・フーリン。
鎖の拘束が解け、力を失った彼はドサリと倒れると動かなくなった。
しかし、
「…?」
様子がおかしい。
「変だ…二流にしても髄分と呆気なさすぎるじゃないか。」
翼を羽ばたかせ、どこからともなくやってきたキルケーがフワリとその場に着地しながら言った。
大ダメージをくらったであろうクー・フーリン。
けどそこまではいい。
助けに来てくれたキルケーの言う通り、いくらなんでも呆気なさすぎる。
キャスターとはいえ、クー・フーリンと言えば粘り強さに定評があるのだけれど…。
クラスを変えただけでここまで弱くなれるのだろうか?
「いや…変だ…!」
けど、その疑問はすぐに解決する。
「マスター!!早く皆を連れて逃げるんだ!!そいつは何か"おかしい"!!」
友作くんのキルケーの叫ぶ声。
その慌てぶりから余程やばいものなのだろう。
しかし、逃げるのが遅すぎた。
"それ"はクー
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