始まりから夏休みまで
先輩と後輩の話
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ていたのかは知らない。
けど、久しぶりの再会は、あまりにも悲しいものだった。
「どうしてよ?こんちゃん、あんなに優しい子だったじゃん!」
「…。」
「どうして?どうしてそうなったの?少年がウザイ?ムカつく?居場所を取られた?そんなの関係ないよ!」
「でもそいつは…!」
「居場所なら、まだずっとあるよ。」
静まり返った喫茶店。
先輩の足音だけが響き、そして近野さんの目の前に立つ。
「居場所を奪ったとか、そんなことはないよ。何も言わずに退学したのはホント悪かったよ。でもさ、こんちゃんの居場所はまだ…あるよ。なくなってなんかない。」
「…。」
「少年は居場所を奪ってない。新しく作ったんだ。だから仲良くしてても、やっかむようなマネはしないで欲しいんだよ。こんちゃん。」
とん、と両肩に先輩の手が置かれる。
一瞬、近野さんの表情が和らぎどこか安心したようにも見えた。
「でもごめんね。いなくなったりして。きっと言ったらこんちゃん、死ぬほど悲しむと思ってさ。」
「…でも、私…。」
2人がわだかまりが解け、今まさに和解しようとしている。
その時だった。
「!!」
突然、ガラスが割れた。
突き破ってきたのは石…ではなく
「なんだこれ!?ぎゃあああ!!!」
火の玉。
スピードを緩めることなく真っ直ぐ飛び、コーヒーを嗜んでいた男性客を瞬時に火だるまにした。
「な、なに!?」
「嫌な予感がする…!!伏せろみんな!!!」
友作くんが声を張り上げる。
するとその直後、いくつもの火の玉が喫茶店へと飛来してきた。
身をかがめ、机の下に隠れる。
人々の悲鳴、ガラスやものが壊れる音。
そして、
「厨房が!!」
「先輩!待って!!」
厨房からの爆発音。
火の玉がなにかに引火したのだろうか、地面を響かす程の轟音。そしてもくもくと上がる黒煙。
まだ厨房に人はいた。
それを助けるべく、先輩は走り出して行ったんだ。
「葛城!!やめろ!!」
「でも…!!」
追いかけようとしたけど火の玉の嵐はまだやまない。
けど、見えた。
外から火の玉を撃つ、何かの姿が…。
「友作くん!暮馬くん!」
「どうした!!」
「あれ見て!」
焼け焦げ、倒れたソファーや瓦礫の向こう。
外に立っている、杖をこちらに向けている人影。
あれは…サーヴァントだ。
「サーヴァント…クー・フーリン!?」
「しかもキャスター!なんでここに!?」
火の玉を放つことをやめ、サーヴァント、キャスターのクー・フーリンはこちらに近付いてくる。
割れた窓を飛び越え、辺りを見回す。
するとだ
「ひ、ひいぃ!?」
僕たちと同じように、机に隠れて難を逃れ
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