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Fate/imMoral foreignerS
始まりから夏休みまで
近野のどかには近づくなって話
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室に残っていた女子生徒と友作くんが止めに入る。

「もういいだろ近野…!」
「はっ、その気持ち悪い顔も蹴られていくらかはマシになってんじゃん。似合ってるよ。」

何人かの女子生徒に抑えられた近野さんはそう吐き捨てる。
気が付けば鼻血が出ていたし、片目もなんだかうまく開けられない。

「近野…。」
「何?」
「やっぱり…田所先輩絡みなのか?」
「さぁね。」

友作くんが何か話している。
田所先輩…?
どうして今、そこであの人の話題が…?

「あんた達にはもう関係ないから。それに、もし"スカウト"されたって私はそこの気色悪い男を絶対に仲間だなんて認めない。」
「…。」

田所先輩を知っているのか?
そう聞こうとしたけど、その前に彼女はスタスタと足早に消えてしまった。

「だ、大丈夫かよ葛城。」
「うん。大丈夫だよ。」

暮馬くんの肩を借りて、僕は何とか起き上がる。

「止めようとしたんだけどさ…あの近野って人、すんごい蹴りで…。」
「うん。すごかったね。」
「流石は元水泳部ってところか。鍛えた筋肉は衰えてないみたいだな。」

と、友作くんがそう言葉を漏らした。

「水泳部…?」
「ああ、そうだよ。お前は転校してきたから知らないよな。あの近野、元水泳部だよ。」

僕は去年の秋頃ここに引っ越してきたから全く知らなかったのだけど、
近野さんは水泳部だったとのこと、
そして

「近野さん、マジやばかったよね。」
「そうそう、期待のスーパールーキーなんて言われててさ。」
「でもなんでやめちゃったんだろう…勿体ない。」

残っていた女子生徒達からもその話は聞けた。
彼女は入部当初からその頭角を現し、1年にして次期エースと期待された新人。
彼女の部活生活は順風満帆だった。

しかし、辞めた。
ある日突然退部したのだ。

「"本人"から止められてたんだが…話すよ。近野のいた水泳部にはな、もっとすごい実力を持ったとんでもないエースの先輩がいたのさ。」

そのわけは、友作くんから語られる。

「葛城。今日バイトは?」
「ううん…ないけど?」
「そうか。じゃあ…。」

何を話されるのかと思えば、友作くんはバイトの話を始めた。
今日は何があるかわからないから、一応入れませんとだけは伝えた。
しかし、それが今近野さんの事とどう関係があるのか…。
それにだ。
近野さんと友作くんの会話に出てきた田所先輩…。
なんなんだ?田所先輩が近野さんに関係あるって言うのか?


「行くぞ。"先輩"のいる喫茶店にな。」

友作くんはそう言うと、それ以上は答えることなく僕のバイト先…その通り先輩のいる喫茶店に向かうと言い歩き出した。






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