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レーヴァティン
第二百三十話 飢饉その一

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                第二百三十話  飢饉
 英雄は奥羽での戦の軍勢のことは仲間達に任せ自身は会津において全体を見てかつ補給や輸送を担っていた。
 そうしつつ会津若松城を建て直させていたが。
「順調と言うべきだな」
「左様ですね」
「城は順調に建て直されています」
「城壁も出来てきて」
「門や櫓もです」
「舎や蔵もです」
「いいことだ、そしてだ」 
 英雄は幕臣達に城を観つつ話した、建て直されているその城を。
「最後はな」
「天守閣ですね」
「それを建て直しますね」
「そうしますね」
「天守は必要だ」
 どうしてもというのだ。
「その城の象徴でありだ」
「威厳であり」
「まさに柱になります」
「その城が頼りになる」
「そう思わせるものです」
「それにだ」
 それに加えてというのだ。
「最も高いものだからな」
「それ故にですね」
「遠くまで見えますね」
「最高の物見櫓です」
「非常に役立ちます」
「しかも蔵や兵がいる場所にもなる」
 その役割も果たせるというのだ。
「だからこそだ」
「必ずですね」
「天守閣は建て直しますね」
「この城のものも」
「そうしますね」
「銭がかかるのでどうしてもならしないが」
 その為英雄達が起きた世界では金沢城や福岡城には天守閣がない、伊賀上野城や佐賀城の天守閣は維新後に建てられたもので江戸時代にはなかった。
「しかしな」
「それでもですね」
「建てられるならですね」
「建てる」
「そうしますな」
「そうだ、まして雷や火も防げる」
 この世界の技術ではというのだ。
「なら尚更だ」
「建て直す」
「そうしますな」
「城の再建の中で」
「天守閣も」
「そうしていく、そしてだ」
 英雄はさらに言った。
「城の建て直しが進むと徐々にな」
「はい、兵やものもですな」
「城の中に収めていく」
「そうしますな」
「城の再建が進めば」
「そうしていく、城は政の要でだ」
 それと共にというのだ。
「戦の要でもあるからな」
「はい、まさにそうした場です」
「それではですな」
「その様にことを進めていき」
「そのうえで」
「この城もそうしていく、元々それを考えてだ」
 それでというのだ。
「会津を攻めたしな」
「それだけに」
「城の再建が進めば」
「今の通りに」
「兵を収め」
「ものもまた」
「そうしていく、そして俺もだ」
 英雄自身もというのだ。
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