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ハッピークローバー
第五話 合コンのことその四

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「そこも面白いって人いるけれどな」
「それでもね」
「けれどここでいいな」
 成海はパソコンのネットで検索しつつ述べた。
「同じビルにゲーセンもあるし」
「居酒屋もあるしね」
「やっぱりここだな」
「そうね、じゃあテスト終わった金曜日の夜に」
「モビーディッグな」
「そこでやりましょう」
「それじゃあな」
 成海も頷いて応えた、だが。
 ここでだ、彼はかな恵にこうも言った。
「しかし商業科の女の子ってな」
「ええ、彼氏作ろうと思ったらね」
 かな恵も応えた。
「女の子が多いから」
「大変なんだな」
「商業科と農業科はね」
「そうそう、農業科の娘ともなんだよ」 
 成海はかな恵に話した。
「こっち合コンよくしてるよ」
「そうなのね」
「本当にこっちはな」
「男の子が多くて」
「競争凄いからさ」
「こっちとは逆ね」
「だからそんな話が来たら」
 彼女が出来るかも知れない、そうした機会が来たらというのだ。
「それこそな」
「渡りに舟ね」
「そうだよ、じゃあ頼むな」
「それじゃあね」
 こう話してだった、かな恵は電話を切った。その後でだった。
 夕食を食べて入浴を済ませて一華達にメールを送った、それから自分も勉強したが十二時になると終えて。
 それからキッチンに出てお茶を飲もうとするとだった。
 両親、弟に遺伝を受け継がせた父と自分に遺伝を受け継がせた母がいた。かな恵は飲んでいる二人を見て言った。
「何飲んでるの?」
「ブランデーだよ」
 父が酔った顔で答えた。
「お父さんが買ってきたやつでな」
「今飲んでるのよ」
 母も言ってきた、やはり酔っている。
「寝る前にね」
「ふうん、そうなの」
「チーズがあると飲めるからな」
 見ればテーブルの上には六個単位で丸くまとめられているそれがある、よくスーパーで売られているものだ。
「だからな」
「チーズと一緒になのね」
「飲んでるんだ」
「しかもこれもあるしね」
 母はビスケットを食べつつ話した。
「丁度よかったわ」
「成程ね」
「それでかな恵はどうしたんだ?」
 父は娘にあらためて聞いて来た。
「お茶飲みに来たのか?」
「そうよ、もう寝るから」
 それでとだ、かな恵は父に答えた。
「その前にね」
「水分補給してか」
「寝るつもりだから」
「そうか、飲まないか」
「今日はいいわ」
 そのつもりはないと父に返した。
「別にね」
「それじゃあな」
「ええ、ただ二人共飲み過ぎないでね」
 かな恵は父だけでなく母にも言った。
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