第百十三話 甘寧、敵陣を見るのことその九
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「さて、その司馬尉さんの御願いをね」
「ここで適えさせてもらおう」
「ふん、そう簡単に適えさせてたまるか」
ロックがだ。その二人の前に来て言った。
「俺は性格が悪くてな。人の願いを簡単に適えさせる趣味はないんだよ」
「へえ、じゃあ君が僕達の相手をするんだ」
「御前との勝負も久し振りだな」
「おい」
背にしている仲間達にだ。ロックは声をかけた。
「俺がこの連中を引き受ける。御前等はだ」
「その間にか」
「船に戻れっていうのね」
「そうだ。早く行け」
ロックは牙刀とジェニーにも言った。
「いいな、俺は絶対に戻るからな」
「いいのか。後ろからオロチの二人も来た」
「一度に四人も相手にするとなると」
「安心してくれ。俺は絶対に死なない」
これがロックの返答だった。
「だからだ。ここはだ」
「面白いわね。私達四人を一人で相手にするっていうのね」
「流石はギース=ハワードの息子かしら」
「俺は俺だ」
前に来たバイスとマチュアにもだ。ロックは言う。
「ロック=ハワードだ」
「ならそのロック=ハワードの戦いを」
ホワイトは手にしているその杖を弄りながらロックに応える。
「見せてもらうよ」
「行くぞ」
ロックは構えを取った。そうしてだ。
仲間達の為に戦おうとする。彼は覚悟を決めていた。
仲間達はその彼の心を受けて彼に任せようとした。そこでだ。
空からだ。何かが来た。そうして。
白装束の者達を薙ぎ倒しだ。ホワイト達に奇襲を仕掛けた。
「!?君達は」
「まさか」
「久し振りだね、ホワイト」
アルフレドがだ。攻撃を浴びせながらホワイトに言う。
「君もここに来ているとはね」
「予想していたんじゃないのかい?」
「していたさ。けれど僕がここに来ることは予想してたかな」
「全く」
それはしていないというのだ。ホワイトは着地したアルフレドとの戦闘に入りながら応えた。
「けれどこうして会えたのなら」
「闘うんだね」
「そうさせてもらうよ」
こう言ってだった。彼等が闘いだ。
乱鳳と眠兎はだ。暴れ回り。
白装束の者達を倒していく。その彼等がだ。甘寧達に言う。
「ほら、今のうちにさ」
「逃げる!とっとと帰る!」
「わかった。それではだ」
「今のうちに」
甘寧と諸葛勤がすぐに決断を下した。そうしてだ。
二人はすぐにだ。仲間達に叫んだ。
「船まで一気に駆ける!」
「そうして帰るわ!」
「僕達も空から戻るから」
「河の上で合流だぜ!」
「それまで美味しいお菓子ぶりぶり用意する!」
「わかった、それではだ!」
「船の上でね!」
また甘寧と諸葛勤が応えてだった。
彼女達もだ。一気に突破する。ロック達もだ。
それを見てだ。フリーマンが言う。
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