第三章
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「生きものを捨ててだ」
「道具としか思わない人が」
「いるんだ、そんな奴等は許したらいけないが」
「それでもよね」
「そんな連中に粗末にされていた子達を」
「出来るだけね」
「助けていくんだ」
「そうしていかないとね」
「ああ、ずっとな」
夫婦でこう話した、そのうえで。
葛飾と妻は二人でだ、チクとマリの頭を撫でて身体もそうした。そして彼女達にご飯やミルクもあげた。
葛飾はある日自分が出演しているバラエティ番組でペットを捨てる話を見た、すると心から怒って叫んだ。
「こんなこと絶対にするな!」
「えっ、葛飾さんどうしたんですか」
「物凄く怒ってません?」
「本気で怒ってますよね」
「本気だよ」
その通りとだ、共演者達にも答えた。
「命なんだぞ、皆」
「ペットもですか」
「捨てられる子達も」
「だからですか」
「一度家族に迎えたら最後まで一緒にいろ」
こうも言うのだった。
「そして愛情を注げ、飽きたとか邪魔になったから捨てるなんてな」
「それは駄目ですけれど」
「何があっても」
「ですがそれでもです」
「葛飾さん怒り過ぎじゃ」
「幾ら何でも」
「これが怒らないでいられるか」
その怒りをそのまま出してさらに言った。
「繁殖犬の話も出ていたけれど自分がそう扱われたらどうだ、捨てられたらどうだ」
「やっぱり嫌です」
「そんな目に遭ったら」
「どうしても」
「だったらな」
それならというのだ。
「絶対にだ」
「しないことですか」
「こうしたことは」
「捨てたりすることだ」
「そうだ、命だからな」
最後まで強い声で言った、その声を聞いてだった。
多くの視聴者もテレビの関係者達も思った。
「口煩い人でもな」
「色々とやかましくて」
「それでもな」
「このことは正しいな」
「というか口煩いだけの人じゃないんだな」
「いいところもあるな」
「生きものを大事にするだけずっといいな」
この意見も出た。
「それだけでな」
「世の中実際に平気で命を粗末にする奴いるし」
「家族だって言ってたペットを捨てたりな」
「道具にしか思ってない奴もいて」
「酷い奴いるからな」
「そんな連中と比べたら」
それこそというのだ。
「遥かにましだな」
「ずっと立派だな」
「ただの老害じゃないか」
「いいところもあるな」
「本当にそうだな」
口々に話した、そしてだった。
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