第三章
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「だったらな」
「ここはじっくり調べるべきね」
「ああ、二人で調べて考えるか」
「そうしましょう」
こう話してだった。
二人でどのホテルのどの部屋に行くかを真剣に考えた、勿論それまでに何処に行くかも二人で話した。そうしてだった。
その日二人は朝早くからデートに出た、そのうえで。
公園も映画館も昼食も水族館もプールも楽しみ。
夕食の後で酒も飲んだ、そのうえで。
いよいよラブホテルとなった、健も智もかなり飲んでいたがそれでもだ。
二人でじっくりと今回のデートの中で最も話したラブホテルに向かった、もうそのホテルと部屋は決めていて事前にホテルに電話を入れて予約もしていたが。
いざ入る時になってだ、智は健に言った。
「今回のデートで一番ね」
「ああ、緊張するな」
「そうよね」
「いざってね」
「これまで何度もデートしてきたがな」
付き合って七年、お互い二十歳で知り合ってだ。
「最初の時みたいにな」
「緊張するわね」
「することもな」
ラブホテルの中でだ。
「わかっていてな」
「今も毎日みたいにしているけれど」
「それでもな」
「緊張するわね」
「天幕付きの部屋で」
「露天風呂もあって」
「そこで浴衣も着てな」
そしてというのだ。
「お前の方はな」
「色々コスプレしてね」
「楽しむけれどな」
「果たしてどうなるか」
「凄く緊張するな」
「ええ、けれどここまできたし」
智は健の横で喉をごくりと鳴らして言った。
「覚悟を決めて」
「勇気を出してな」
「中に入りましょう」
「それじゃあな」
こう話してだった。
二人でだ、ホテルに入りその部屋に入った、それから。
まずは露天風呂に二人で入ったが。
健は一緒に入っている智に外に見える街の夜景を見つつ言った。
「これがラブホなんてな」
「信じられないわね」
「普通のホテルのお風呂よりもな」
「豪勢よね」
「ラブホテルのお風呂はな」
「一緒に入るけれど」
二人でだ。
「こんなね」
「派手じゃないな」
「そうなのよね」
「俺達が知ってる限りな」
「露天風呂でね」
「夜景が見えるなんてな」
「しかもその夜景観ながらね」
そうしつつというのだ。
「するなんてね」
「ちょっとな」
「ないわね」
浴槽の中でそうしたことをしつつ二人で話した、その後で。
二人で天幕のベッドに入った、今は下着姿で健は黒のボクサーで智は上下共フリルの多いピンクであるが。
そのベッドの中でだ、健は智に言った。
「また言うけれどな」
「何?」
「ここラブホなんだよな」
天幕のベッドの中で仰向けに寝ている智の上に来て言うのだった。
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