第四章
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「さっさと抜け」
「それで一回死ね」
「お前等は重罪人だ」
「重罪人はどうとでもなれ」
「何度死のうがいいからな」
「お前等には一切の価値がないんだ」
凶悪犯罪を犯した者にはというのだ。
「だから抜け」
「抜かないと死罪だ」
「鋸引きか火炙りを選べ」
「何なら人豚にするぞ」
「麻酔なしでしてやるぞ」
「それで死ぬのとマンドラゴラで死ぬののどちらがいい」
「好きなものを選べ」
処刑を行う者達がこう言ってだった。
彼等にマンドラゴラを引き抜かせた、彼等はその都度死んだが。
「蘇らせるか」
「そしてまた引き抜かせるか」
「今日はあと五本引き抜かせるか」
「こいつにはそうさせるか」
「どうせ重罪人だ」
「重罪人が何度死のうと知ったことか」
こう話してだった。
重罪人を何度も生き返らせてだった。
引き抜かせた、だがそうしていると。
何度も死んで復活させられている重罪人の中には発狂する者も出て来た、太宰はそうした者についても言った。
「ならもうです」
「よいですか」
「使いものにならなくなれば」
それならとだ、彼は最初に話を持って来た狼人の官吏に話した。
「捨てればいいです、死罪にします」
「そうしますか」
「そして魂を消し去って」
「終わりですか」
「どのみち死罪にする者達です」
そのことが決まっているからだというのだ。
「だからです」
「それで、ですか」
「使いものにならなくなれば」
「予定通りですね」
「死罪に処して」
「終わりですか」
「そうです」
一言で言い切った。
「そして躯は」
「焼いてしまい」
「骨までそうして」
「終わりですね」
「弔う必要もありません」
それすらもというのだ。
「重罪人、人を脅かした輩なぞ」
「全くですね」
「その命や権利なぞ」
「一切気にすることはないですか」
「その様な輩のことを考えるより」
太宰はさらに言った。
「多くの善良な民のこと、そしてああした者達に傷付けられた」
「民のことを思うことですか」
「どちらが道理か」
「言うまでもありません」
官吏も答えた。
「それは」
「そうです、それでは」
「はい、重罪人はそれでいいですね」
「何度も死なせて狂えばな」
「死罪にして終わりですね」
「いいことです、犬は死なずに」
そうしてというのだ。
「マンドラゴラを気兼ねなく手に入れることが出来ます」
「死罪になる者を使えば」
「ならこのまま」
「マンドラゴラについてはそうしていきますね」
「そうします、では死罪の断を下しましょう」
今度はこう言ってだった。
太宰は死罪になる者のそれをよしとした、彼はそのことについて何も思わなかった。ただ重罪人を罰し多くのマンド
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