第二章
[8]前話 [2]次話
「私も」
「そやね」
「命は同じです」
「やっぱり大事やね」
「人でも誰でも同じです」
命の価値はというのだ。
「僕達は生きる為に食べます」
「そして命を頂くね」
「それは避けられません」
「生きてる限り命を奪う」
「それは生きている者なら誰でもです」
「そやね」
「しかし無駄にです」
太宰は強い声で述べた。
「罪のない命を犠牲にすることは」
「止めるべきや」
「左様です」
「そやね、どないしたらええやろ」
「ならばです」
太宰は綾乃に述べた。
「考えがあります」
「そやの」
「はい、罪のない命を奪うことが問題です」
「それや」
「自分達の目的の為に。ならば」
「それならやね」
「手に入れたい者が引き抜いて」
そのマンドラゴラをというのだ。
「そして死んでです」
「復活させてもらえばええんやね」
「そのやり方もあります」
「それを法で定めるんやね」
「そうしましょう、そしてもう一つあります」
太宰はさらに述べた。
「罪のない者を犠牲にするのではなく」
「罪人をやね」
「罪のある者ならです」
つまり罪人ならというのだ。
「用いてもいいですね」
「ええと思うで」
これが綾乃の返事だった。
「罪人は罪人やしな」
「そやからですね」
「罪のない生きものの命は重いけど」
「罪を犯した者の命は」
「それが過失犯やと兎も角」
「確信犯で凶悪犯なら」
「もう死刑にせんと」
さもないと、というのだ。
「牢に入れてるだけで税の無駄やし」
「実際にそうなっていますね」
「牢作るのもお金かかってるし」
「そして罪人に食べさせる食事も」
「服もあるし」
「税がかかります」
「罪人を牢に入れるにも」
それについてもというのだ。
「永牢とかにしてずっと入れたら」
「我々の起きた世界では死刑廃止論が出ていますね」
「欧州とかで多いね」
「実際に死刑を廃止しまして」
太宰は実例を話に出した。
「そしてです」
「死刑になる様な凶悪犯ずっと刑務所に入れて」
「税がかかっています」
「その分な」
「人を何人も平気で嬲り殺しにしてもです」
「死刑にならんでな」
「何十年も税金で生きるのです」
善良な市民が払うそれでだ。
「これだけ無駄なことはありません」
「ほんまにそやね」
「そのことから考えましても」
「罪人に容赦したらあかんわ」
「例えば強盗殺人で何人も殺してお金を奪う」
こうした話も実際にあった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ