課外授業に行こう・1
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
突然、にっこにことした機嫌の良さそうな父さんが近づいてきた。
ナルトと居る時は気をつかってあんまり近づかないんだけどね。
「ラーン。アカデミーの授業はどうかな?」
「……」
アヤシイ…。
アカデミーに通いだしてからというもの機嫌が悪そうだったのに、どうしてこんなに上機嫌なんだろう。
思わず無言のまま後ろに下がったら、逃がさないとばかりに肩をガッチリと掴まれた。 事の成り行きがわからなくてナルトは傍観してるんだけど、どうやらナルトも訝しんでいるらしい。
そうだろうね。今の父さんは本当にあやしいよね。
「きっと、既に教わってる事が大半だから、退屈しちゃってるよな? な?」
「………」
確認というよりは断定してくる父さんを、目を細めて見ているんだけどどうやら答えるまで離す気はないらしい。
痛くはないんだけど、ガッチリと掴まれているから身動きが取れなくてすごく不便。
「別に。再確認出来て…」
勉強になる。と言おうとしたんだけどね。再確認という言葉を聞いた瞬間父さんの眼が輝いた。輝いたというか、待ってましたとばかりににんまりと笑う。
だからすっごくあやしいんだけど、一体何を企んでるのかがまったくわからない。アカデミーの授業は確かに暇だけど、人間関係を構築するには良い環境だし。
それは母さんからの説得でわかっているはずなんだけど、今の父さんは何だろうなぁ。
「そうかそうか。ランは勉強熱心だな! 流石俺とセイカの子供だ!」
いつもだったら娘だって言うんだけど、ナルトが居るから子供にしたらしい。
「じゃ、課外授業に行こっか!」
「は?」
今度こそ首を傾げる私に、父さんは続ける。
「課外授業だよ。今の所アカデミーを休んだ所で授業に遅れる事はなさそうだしな。折角の機会だ。俺の外の仕事についておいで」
「外の仕事って…」
「今から出発するぞー。荷物はセイカが準備してくれてるから大丈夫だ」
何が大丈夫なのかまったくわからないんだけど。
そして今はナルトとデザインを考えてたんだけどね。折角……折角ナルトが工房まで来てくれたというのに、ここで一方的にまたねー、なんて言って家に帰したくなんかないんだけど。ご飯も一緒に食べようって思ってるし。
私の戸惑いに気づいたのか、父さんは笑みを濃くする。
…嫌な予感しかしないんだけど。
そう思ってナルトを見ると、肩を竦められた。
どうやら、ナルトも雲行きがあやしいと感じてるらしい。
「大丈夫大丈夫。ナルトも一緒に行くからなー」
「「……」」
父さんのこの言葉には、ナルトも眉間に皺を寄せて口を噤んだ。
「父さん。ナルトもアカデミーが」
「大丈夫だ。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ