疾走編
第三十九話 エルゴン星域会戦(前)
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ってもらいたいものだ…。まあ俺も万を超える艦隊戦なんて初めてだから、どれが勝率が高い戦法か、なんて判りゃしないのだが…。パオラとヤマトは元気かなあ…あ、フォークもいたな…。
帝国暦482年8月30日10:00 エルゴン星域、銀河帝国軍、第二十任務艦隊、旗艦ネルトリンゲン
ベルンハルト・フォン・シュナイダー
メルカッツ閣下の表情は沈鬱そうだ。これ程の大艦隊を率いる機会が与えられるなんて、とても名誉な事だと私などは思うのだが…
「シュナイダー中尉、麾下の艦隊が正規軍なら本当に名誉な事だが、貴族のドラ息子どもを率いるとなると、話は変わってくるのさ」
私に話しかけてきたのはアーダルベルト・フォン・ファーレンハイト中佐だ。ヒルデスハイム伯を補佐していたのだが、突如解任されたので、本人も伯を見限って艦を降りてイゼルローン要塞に戻ってきたところを閣下が参謀に、とこの艦に乗艦させたのだ。
解任されたからといって補佐する上司を放って下艦するなんて、とんでもない事をする人だな、と思うのだが中佐本人は全く気にしていないようだった。
「あいつらは普段命令する側にいるから、命令される事には慣れていないんだ。今回来ている奴等は特にそうだ」
ヒルデスハイム伯、フレーゲル男爵、シャイド男爵、シュッツラー子爵…確かにそうかも知れない。彼等はブラウンシュヴァイク一門の中でも重きをなす人達だと耳にしたことがある。
「メルカッツ提督も損な役回りさ。正規軍人なら提督より上位の人間であってもあの命令に服すだろうが、そんなものお構いなしな連中だからな。最初はともかく、そのうちてんでバラバラに動き出すだろうよ…それはともかく、提督には救われた、全力で提督を補佐する事を大神オーディンに誓うよ」
私の肩を軽く叩くと、中佐は閣下の傍に歩み寄って行った。そうなのだ、ファーレンハイト中佐は敵前逃亡か無許可離隊の罪で処罰される所だったのだ、という。
閣下の傍らから再び中佐が歩み寄って来た。
「作戦会議を行う様だ。今から伯達がこの艦にやって来る。会議室の準備を頼む」
「了解致しました」
8月30日11:00 銀河帝国軍、臨編メルカッツ艦隊、旗艦ネルトリンゲン
ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ
「皆に集まってもらったのは他でもない。今後の方針を決める為である。ファーレンハイト中佐、現況を説明せよ」
「はっ。自由惑星同盟を僭称する反乱軍の艦隊は、当星域の我々の反対側に布陣しております。二個艦隊、約二万六千隻の兵力です。位置関係から察するに、反乱軍は我に対し二方向から進み挟撃の体制を作り上げようとしております。それに対し我が軍は…」
「つらつらと説明する前に、何か申す事があるのではないか、中佐」
「フレーゲル少将」
「何でしょう、メルカ
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