第五章
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今日は、おすましだからね」
ウチは、昔から、元旦は白みそで、2日はおすましなのだ。
「そこのお鍋 さっき、昆布を入れてあるから、取り出して、鶏肉を入れて、沸騰したら、取り出してちょうだい。お塩と醤油で味付けてね。薄口よ、それから、かつおだしで具合見て・・お肉は、チッチにあげるから・・」
「そんなに・・いっぺんに言わないで・・ゆっくりとね」
「食べたら、着物に着替えるんだからね ゆっくり してられないからね 来られるんでしょ」
食べ終わって、片付けをして落ち着いた頃、和室に連れていかれた。今日は、紺地の加賀の小紋の着物が掛かっていた。一通り、支度を終えた時、お母さんは
「ちょっと 暗かったかしら その方が、しまった感じで良いかもね 帯が朱色だから良いか お化粧 濃いめにした方がいいね 口紅も紅いほうがはえるわよ」
お化粧を直して、リビングに行くと、お父さんはリラックスした服装だった。別に、お父さんまで着飾る必要ないんだけど
「お父さん ゴルフでも行くの?」
「えー これか あんまり恰好つけると向こうも構えるだろう 気楽にな でも、すずりは売り込むんだから、べっぴんさんに飾らなきゃやな」
お昼になる頃、プチ(チッチ)が、お庭側のガラス戸を引っ掻いてきた。坂の上から来るのを見ていると言っていたので、多分、舜が来たのだろう。迎えに行くと言ったのだが、自分で来ると言っていた。
私は、門のところまで迎えに行って、坂を登り切った舜の姿を見て、手を振った。家の前まで来た時
「すずり きれいだね 着物姿素敵だよ」と、言ってくれた。
「ありがとう お正月だからね どうぞ 入って」と、言っていると、プチが私の横をすり抜けて家の中に入って行った。
「ああ あの猫が君が言っていた・・さっき、坂の上から僕のことを見ていた」
「うん 相棒のプチ」
リビングに通した。お父さんは、朝の続きで、チビチビやっていた。
「初めまして、早坂舜と申します。お嬢さんとお付き合いさせてもらっています」と、舜も堅かった。
「うん 聞いています。まぁ 気楽にな とりあえず 娘がお付き合いしている人は、どんな人か知っておくのも親の務めだと思うので来てもらったんだが・・ まぁ 座って 飲めるんでしょう? ビールがいいかな スコッチもあるが・・」
「はぁ じゃあ スコッチを」と、舜はお父さんのグラスを見て、合わせたみたいだった。
お父さんとお母さんが並んで座ったので、私も舜と並んで座った。すると、プチが横にちょこんと乗ってきた。
それからは、お父さんとお母さんが、舜に、仕事は、出身はとか家族とか、学生時代は、今の生活とか質問ばっかりで・・
「ちょっと そんなに質問ばっ
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