第六幕その八
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「これから」
「イッソスの国に行くのよ」
ビリーナが答えました。
「そこで皆でお寿司を食べるの」
「へえ、そうなんだ」
「だからこの森を北に抜けて」
「さらに行くんだね」
「そうするわ」
こう豹にお話しました。
「これからね」
「わかったよ、じゃあ美味しく食べてきてね」
「そうするわね」
「僕はお魚はあまり食べないけれど」
それでもというのです。
「楽しんできたらいいよ」
「そうさせてもらうわね、じゃあまたね」
「うん、またね」
「ただこの先にいるドラゴン達はいびきが五月蠅いから」
豹は別れ間際にこのことを言いました。
「注意してね」
「そんなに五月蠅いの」
「まるでヘリコプターの音みたいにね」
トロットに答えました。
「昼寝の時はそうだから」
「だからなのね」
「お昼あそこを通るなら注意してね」
「有り難う、気を付けるわ」
トロットは豹の言葉に頷きました、そうしてです。
豹と手を振り合って別れました、それからまた先に進みますが次第に森の先の方から物凄いいびきが聞こえてきました。
そのいびきを聞いてです、ナターシャは言いました。
「凄いわね」
「うん、これが豹が言っていたいびきだね」
カルロスも言いました。
「ドラゴンの」
「かなり離れていると思うけれど」
それでもと言う神宝でした。
「凄いね」
「こんないびき近くで聞けないよ」
ジョージは困ったお顔で言いました。
「とてもね」
「どうしようかしら」
恵梨香もいびきを聞きつつ言います。
「ここは」
「いびきが終わるのを待つか」
若しくはとです、ナターシャも言いました。
「それか我慢して進むか」
「ここは耳栓をしましょう」
トロットは皆に言いました。
「そうしましょう」
「耳栓をしてですか」
「ええ、そしてね」
そのうえでというのです。
「先に進みましょう」
「耳栓あるんですか」
「ここにね、人数分あって」
ナターシャにその耳栓を出しつつお話します。
「ビリーナとカエルマンさんの分もあるわよ」
「そうそう、私は鶏だからね」
ビリーナが応えました。
「だからね」
「耳は鶏のものね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「その鶏の耳栓もね」
「あるから」
「使ってね」
「わかったわ」
「私も蛙だからね」
カエルマンも言ってきました。
「だからだよ」
「蛙の耳で」
「蛙の耳栓じゃないと」
人間用の耳栓ではというのです。
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