第六幕その七
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「今ね」
「思ったのね」
「再認識しているよ」
こうトロットに答えました。
「本当にね、実は地中にいた時は豹もあまり見なかったよ」
「地上の生きものだから」
「だからだよ、しかしこれから出会えるなら」
それならとです、トロットに笑顔でお話しました。
「楽しくね」
「会うのね」
「そうさせてもらうよ」
笑顔で言ってでした。
皆は岩山から森に入りました、そうして進んでいるとです。
木の上から声がしてきました。
「やあ、何処に行くのかな」
「おお、出て来たね」
前ノーム王はその声に反応してその木の上を見上げて言いました。
「君がこの森の豹だね」
「そう言う貴方はラゲドーさんだね」
「そうだよ、会えて光栄だよ」
「こちらこそね。しかしね」
「しかし?」
「いや、君はとんでもなく悪い人と聞いていてね」
それでというのです。
「どんな悪そうかと思っていたら」
「それがなんだね」
「違うね、にこにことして目がきらきらとしていて」
そうしてというのです。
「善人だってわかるよ」
「そうなんだね」
「今の君はね」
そうだというのです。
「そう思えるよ、さて」
「さて?」
「見下ろしてのお話は失礼だから」
それでというのです。
「下りるね」
「そうするんだね」
「ちょっと待ってね」
こう言ってひらりとでした。
豹は木の上から皆の前に跳び下りました、そしてです。
皆にあらためて挨拶をしました、皆は豹に挨拶を返しました。カエルマンはその後でこんなことを言いました。
「身軽だね、君は」
「豹だからね」
豹は笑顔で答えました。
「だからだよ」
「それでだね」
「豹は虎より身軽だよ」
「それで木登りも得意で」
「下りるのもだよ」
こちらもというのです。
「得意なんだ」
「そうだね」
「着地だってね」
それもというのです。
「この通りだよ」
「得意なんだね」
「そうなんだ」
「ピューマやジャガーも身軽だけれど」
クッキーも言います。
「豹も負けていないわね」
「オオヤマネコやオセロットにもだよ」
豹はこうした生きものの名前も挙げました。
「負けていないよ、そうみたいね」
「もう森の中、木の上なら」
それこそというのです。
「豹は一番だよ」
「素早く動けるわね」
「猿にも負けないよ」
「そこまでなのね」
「そうだよ、それで君達は何処に行くのかな」
豹はここでこのことも尋ねました。
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