回想編 時代の始まりを生きた者達
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
彼が何者でもなくなったのだとしても、その身に流れている騎士の血だけは、紛れもない「本物」なのだから。
◇
――それから、9年。
ロノム村と呼ばれる小さな集落にある集会所の屋根に、1人の老人が座り込んでいた。
独り星空を仰ぎ、キセルから煙を蒸している彼は、柔らかな笑みを浮かべている。その星空に輝く十字星の煌めきは、失われし伝説を知る彼を優しげに照らしていた。
「ほっほっほ。今宵はよぉく、星が見えるわい」
かつての少年が上位ハンターの1人として、伝説の覇竜に挑んでいることは老人も知っている。だが、彼の表情には一片の不安もない。
「……見えるかい、アレクセイさんよ。あんたの子孫も今頃、でっかい武勲を上げている頃じゃろうて」
在りし日の騎士団長と瓜二つの青年に成長した今の彼ならば、必ず覇竜にも勝てると確信しているのだ。
天の十字星が輝く限り、ルークルセイダーの騎士が負けることはないのだから。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ