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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(10)〜セレンゲティ氷原大機動戦(下)〜
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観測し続けてきた、そのデータを我々は共有している……嵐は間も無く起きる!」

 ニュースロットの唇が吊りあがり、チラリと犬歯が覗く。
「そこに乗じて仕掛けると?」

「うむ、ルートはヴァンフリート軍の助言をもとに策定した。仕掛ける価値は十分あるだろう。――もっとも、あらゆる通信機器が麻痺している中で然るべき時に、然るべき位置へたどり着き、攻勢をかける統制を持続出来ればの話だが」
 本土を占領された経験を持ち、奪還作戦にも従軍した年若い中佐へターイーは儲け話を紹介するフェザーン商人の如く微笑みかけた。
「乗るか、エル・ファシルの」

 ニュースロットは呆れたように溜息をついた。
「お言葉ですが”マルムーク”ターイー殿、僕らを誰だと思っているのですか?」

「我々は”剣虎”大隊だ、エル・ファシルの守護者だ。我が本土を蹂躙し、此度は友邦の地を犯す不逞の輩には断然攻撃あるのみ」

 ターイーは頬を緩めた。
「良かろう、それでは行くぞ、来るべき嵐に近い場へ――そして我々は襲い掛かるのだ」
 炭素クリスタルシャムシールを抜き、掲げる。
「嵐と共に!」


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