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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(10)〜セレンゲティ氷原大機動戦(下)〜
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雪と氷の地を震わせているのは敵の足音だ」
戦闘が起きている先を見据え彼は言葉を紡ぐ。
「恐れる者もいよう、震える者もいよう、私はそれを批判しない。恐れ、震えながらも逃げ出す者が居ない事を私は誇りに思う。諸君らは正しい、この戦いは我々が勝利するからだ。
何故なら奴らの兵士は農奴であり、諸君らは
自由農民
(
ヨーマン
)
であるからだ。
操典の理解、自立した判断、指揮系統の明確化。我々は一人一人が自立した人間であり、そして軍務を理解し恐怖を堪え、軍務に服している」
「敵は銀河の支配者の軍を称している。それら全ては虚飾でありそれを引き剥がした先にあるのは鎖で繋ぎ止められた奴隷とそれを打ち据える奴隷主の群れにすぎない!
諸君らは間も無く虚偽の壁を渾身の一撃で打ち砕こう!
弁解の余地無く!木端微塵に踏み潰せ!
このヴァンフリートの複雑怪奇なる影さえ奴らの偽りを欠片も残すべからず!」
グラスゴーが右手を挙げると軍楽が通信波として発せられる。
「進め!諸君らはティアマト民国の戦闘部隊ウルク=ハイだ!」
そしてグラスゴーは手を振り下ろす。ティアマト民国がサジタリウス準州時代からの伝統を誇る義勇農騎兵が突撃を開始した。
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だがそれもまたラインハルトの構想の範囲であった。
「ラインハルト様、予想された通りに敵が側面に」
不敵な笑みを浮かべラインハルトは頷いた。
「やはり伏撃か、叛徒も芸のない事だ。我が艦隊陸戦隊の第二連隊に伝達する。レールガンで擾乱砲撃を加えよ、第一大隊は重火力大隊を守りつつ側面攻撃を、第二、第三大隊は突出しすぎず距離を保ちながら相手の頭を抑えるのだ、正面から叩き合うな」
構想の通りラインハルトの指揮部隊は動き出した。
たまらないのはグラスゴー達である。
『やられた!敵にもデキる奴がいるようだな』
『回り込めないか?』
『無茶言うな!背を向けるには敵が多すぎる!クソッ!後続を旋回させて抑え込むぞ!』
ミューゼル准将の指揮により予備隊が突撃する“ウルク・ハイ”戦闘団の頭を抑え、側面に張り付く。逆に大打撃を受けかねない状況に追い込まれた同盟軍は、果断な機動戦はこの時点で終わりを迎えることになる――と思われた。
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ティアマトよりも更に奥地にたどり着いたのはエル・ファシルとムサンダムの派遣部隊で編成されたターイー戦闘団である。
「‥‥‥予備隊が動いたか!間に合ったな」
そしてそこにはフォルベック少将も居る。
「予備隊を動員した総攻撃により、側面が手薄となっています。やるなら今しかありません」
「素晴らしい。アルレスハイムとティアマトの猛攻を前に焦燥が勝ったと見える」
フォルベックが胸を反らすがターイーは苦笑するに留めた。故郷を誇
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